◇─14. ページ14
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「へー、埼玉から来たんだ」
「そういう幸はどこ出身なんだ？」
「大仏が置いてある」
「それだけで出身を当てろと？？」
潔と幸は意外と気が合うのか、簡単に打ち解ける事が出来き、名前で呼ぶ程の仲となっていた────が、幸は心臓がとんでもない速さで動いていた。
「(ヤバいヤバいヤバい。ミスったミスったやらかした)」
そう、あれほどアンリに選手と接触するなと言われていたのに、選手達の行動パターンを知るために映像をぶっ通しで見たことにより、アンリと合う予定だったのだが睡魔によって意識が朦朧とし、無意識に迷い込んだ場所で寝て、しかも選手に起こされるというとんでもない出会い方をしてしまったことで取り乱していた。
脳内が混乱状態になっている時も幸の言動はまたも可笑しくなる。
例え頭が良くとも中身はただの18歳の女子高生。
焦ると変になってしまうのは仕方の無いことだった。
「…仕方ない。ここで腹を切ろう」
「今の会話からどうやってそこまで飛躍した？？」
「ありがとう潔。楽しい一時だったよ。来世はチーズ蒸しパンにでもなりたいです」
「情緒が不安定すぎるだろ」
落ち着いて、と潔は出来るだけ優しく幸に言うと深呼吸をして落ち着いたようだ。
そしてよく幸を見てみると、顔は無表情だが耳が赤くなっていて照れていることが分かった。
「…お見苦しい姿をお見せしてごめんなさい」
「いや、大丈夫。きっと俺と会うこと自体あんまり良くないんだろ？」
「そうだね…私、雑用係って言ってもあまり目立つといけなくて…私の事他言無用でお願いします」
「うん、わかった。皆には絶対に内緒ってことだよな？」
「そう。きっともう少ししたらまた会えると思うから。潔だけ、っていうのは出来ないけど応援してる。頑張れ、未来のNo.1」
「…！ ああっ」
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作者名：Yuri
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時：2023年1月10日 21時
