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第拾弐話*恋が一つ ページ12




私は今日、同じ柱でありお姉さん的存在である花山院Aさんが居る屋敷に来ていた。
屋敷には綺麗な桜が満開に咲き誇り、Aさんと合っている。


蜜「Aさん聞いてください! この間しのぶちゃんと一緒にとても綺麗な簪屋に見に行ったんです!」



『…そうなの?』



蜜「はい! それでAさんに似合う簪を買ったんです! どうぞ!」


私はAさんの前に簪を出した。
簪には桃色、白色といった桜が付いており見た瞬間Aさんにあげねばと言う使命感が出たの。
喜んでくれるかしら……。



『わあ……綺麗』



Aさんはふわりと笑う。
もしかして喜んでくれたのかしら!


『蜜璃、さんありがとう。 大事にしますね』


Aさんの硝子のような目に光が入っていた。
昔…あの綺麗な瞳でよく私を励ましてくれたなぁ…。



し「Aさん、蜜璃さんこんにちは」


『しのぶ、さん』


蜜「あら! しのぶちゃんも来たのね!」



し「おや? Aさん。 その手に持っている簪、とてもお綺麗ですね!」



『ありがとうしのぶさん。蜜璃さんが選んで下さったんです』



し「それはまあ。 蜜璃さんのセンスはとても宜しいですからね」



蜜「……///」


やだしのぶちゃんったら照れちゃうじゃない。
同じ柱で年が近い蟲柱の胡蝶しのぶちゃん。
そしてしのぶちゃんの手には包みがあった。



し「Aさん、私も渡したい物があるんです。 こちらです」



包まれていたものは所々に桜の柄がある湯のみ。
とても可愛らしいわあ。



『…よろしいのですか?』



し「はい。 Aさんに上げるために私自身が作ったものなんです。 気軽に使ってくださいね」


『…手作り…凄いですね。 こちらも大切に致しますね!』



Aさんは私達の方を向きパッと花が咲いたような笑顔を見せた。
泣いちゃ駄目よ私…泣いちゃ駄目。

Aさんの数年ぶりの笑顔はとても綺麗で昔と変わらない。
やっと見れた…Aさんの笑顔。


しのぶちゃんを見ると、しのぶちゃんも泣きそうで、でも我慢をしてニコニコと笑っている。



『…蜜璃ちゃんと、しのぶちゃんて呼んでも大丈夫かな?』


Aさんは敬語を抜き、前のように喋った。
そして私たちは顔を見合わせて笑顔で頷いた。



「「勿論です!」」

第拾参話*炎が一燃→←第拾壱話*水が二滴



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るる - ↓それな (8月9日 20時) (レス) @page19 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユーフォニアム吹きの少女 - ↓↓↓↓それわかる (2020年8月3日 10時) (レス) id: 4438656c34 (このIDを非表示/違反報告)
- お話もそうなんですけど、背景もとてもステキでした!!!!!!。 (2019年11月30日 15時) (レス) id: f1169e14c2 (このIDを非表示/違反報告)
孤爪林音 - 運命 (2019年11月10日 15時) (レス) id: 4b0806f6a3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃ(プロフ) - 更新楽しみにしています!大好きな小説のひとつです! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 2a13604db8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雄里 | 作成日時:2019年10月9日 23時

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