シルバーの相棒 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:9,743 hit

episode 1.5 ページ3

達也と深雪には言わずに入った第一高校。ここだったら、普通に過ごせると思ったのに……全然ダメでした。だって、校門で乱闘起きちゃってるからね。で、そこに二人共いるし。内心行きたくねーとか思ってるけど。

『ってかあれ、閃光魔法か？おいおい、こんな所で爆発させてんじゃねぇよ』

「君は？当事者ではなさそうだな」

『え？ってかまぁ違いますけど、こんなん見たらわかるっスよ？」

「おい。普通は判断は出来んぞ。悠」

えっ、マジ？そう言い目を見開き驚いていた。

『自分、実技はあんまッスけど、分析は得意なんすよ。なぁ？』

「自分もそっちは得意です」

と、二人して非常識な技能を「分析だ」といって片付けてしまったが、渡辺にはお気に召さなかったようだ。

「…誤魔化すのも得意なようだな」

値踏みすているかのような、睨みつけるような、その間の眼差し。その眼には、悠もお気に召さなかったようだ。

『…チッ、面倒クセェ。やっぱ行かん方がよかったなー』

お、お姉様っ。と、焦り止める深雪は、先輩方の前に進み出た。

「兄の申しました通り、本当にちょっとした行き違いだったんです。先輩方のお手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」

そう告げ、深々と頭を下げた。そのおかげたろうか、毒気を抜かれたようで、こちらから目を逸らした。