鬼神様は今日も喰らうPart2

54話 ページ9

『ごめんねーたまたま通りかかったら聞こえちゃって』

しのぶ「姉さん…」

カナエ「…桜ちゃんは頭に血の被ったような髪をしている鬼を知ってますか？」

『…知ってるよ。だってその鬼にここまで吹き飛ばされたんだもん』

しのぶ「！」

カナエ「無事でよかった。肺は大丈夫？」

『うん、吸わないようにしてたから!あの鬼になにかあるの?』

しのぶ「あの鬼に姉さんは殺されかけた、大切な家族を失うところだった。私はあの鬼を許せない」

『(童磨、どんまい)そうだったんだ』

カナエ「でも私はある少女の鬼に助けられたの。桜ちゃんが戦ったときは近くにもう一人鬼はいませんでしたか?」

『(あ、それ私じゃん)いや、いなかったよ?』

しのぶ「それは運が良かった。もしその鬼がいたらどうなっていたことか」

『でもカナエお姉ちゃんを助けてくれたんだよね?』

カナエ「ええ」

しのぶ「ですがそれは男の鬼に姉さんを食べようとしていたところを横取りされたからと聞きました」

『へ、へぇ(やばい目をつけられてる)』

しのぶ「姉さんを傷つけようとする鬼は滅するのみです」

カナエ「しのぶ、だからといって藤の花の毒を摂取し続けるのはやめて」

『えーと』

カナエ「あ、ごめんなさいね。しのぶはその鬼を毒で弱らせようとしてるの」

『それってつまり』

しのぶ「はい、私を食わせるということです」

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