幸せな生き方。5【橙】

偏見 ページ37

蓮side


今日は康二と二人で渋谷に来ている。

ずっと前から、期間限定でオープンしているアパレルショップに行きたかったんだ。


電車の中で体調が悪くなっちゃうのは怖いから、俺の運転で来た。

そして車椅子も持って。

本当は、康二も歩く予定だったんだけど、昨日の通院の検査で、ヘモグロビンが少し低い数値が出たから車椅子になった。

辰にぃは念の為、今日は行かせたくなかったみたいだけど、タイミング的に今日しか行ける日ないし、康二もずっとこの日を楽しみにしてたから、｢無理をしない｣という条件も含めて、お許しをもらった。


でも、やっぱり車椅子で大勢の街並みを通るのは恥ずかしいみたいで、俯いてしまっている。

やっぱり、視線は多少感じるしね、、、


俺は少し早めに車椅子をおして、そそくさとその目的としていたお店にきた。


蓮)おぉ！めちゃいいの揃ってるじゃん！

康二)い、い、の、、た、くさん^^


お互いに｢これいいんじゃない？｣とか、
｢お揃いにしよ｣とか、
｢これがいい！｣とか、

衝動買いではあるものの、今しか買えない商品だし、たまにはご褒美で買ってもいいよね！って、欲しいものをたくさん買った。


お互いに満足する買い物ができたため、お店を出て、車を停めたコインパーキングへ戻ろうとした時、、、


通り過ぎた女の2人組から『車椅子で渋谷歩くとか迷惑なんだけど笑』『それな』

という声が聞こえた。


康二もその声が聞こえていたみたいで、萌え袖していた腕で顔を隠してしまった。


俺は急いでコインパーキングへ戻り、康二を一度、車の後部座席に乗せて抱きしめた。


蓮)気にすることないよ

康二)…、み、、んな、、、おもって、る、、ん、かな…じゃま、、って、

蓮)思ってないよ。心が汚い人達があぁいうこと言うだけだよ

康二)…､､、

蓮)お腹空かない？少しカフェで食べようよ

康二)、、うん。

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