234話 ページ45
中に入っていた紙は何度も書き直したのかところどころシワになっていた。
文字も拙く、1行に１箇所は間違いもあった……それでも、どれだけ頑張ったかなど一目瞭然。
クロエはすごいね、とても嬉しい、大好きだよ。と抱きしめる。
あの時のクロエの顔を、僕は一生忘れないだろう。
「クロエも最初は間違いだらけでした、誰でもそういうものです」
「……安心しました、って言ったらクロエに怒られちゃいますかね？でも、本当に安心したんです、自分だけが出来ないわけじゃないって知れて……」
自分だけだと思うと世界は急に色を無くす。人と同じってどうしてこうも安心できるのかな。
少し心が軽くなった私にラスティカさんは問いかけてきた。
「A、文字はなんのためにあると思いますか？」
「え？えーと……形に残すため？」
「そうですね、そういう意味もあると思います。文字がある意味、それは無限でしょう。でも僕は一番の理由は……普段言えない気持ちを相手に伝えるためだと思うんです」
「普段言えない気持ちを……？」
「はい。普段は伝えられない人、こと、気持ち、いろいろあるでしょう。他愛もない話でも手紙にしたら特別になりませんか？……だから、僕はクロエが文字を覚えるまで手紙のやり取りをしました。誰かに思いを伝えようと思った時こそ、文字が本当の力を発揮するから」
「あ……」
たしかにそうだ。ファウストさんに伝えようと思ったとき、私は必死に辞書を引いて言葉を探した。
文字をいくつも覚えた。……きっとクロエもラスティカさんに伝えようと思って言葉を覚えたんだわ。
「私にも……お手紙を交換してくださる人、いないかな」
「僕でよければ文通相手になりますよ」
そう言って微笑むラスティカさんはあまりにもかっこよすぎて直視できない。
ヒースと言いラスティカさんといい、この魔法舎は発光人類が多すぎるわ！
「いかがでしょう？」
「あ、う、はい……でも、間違ってる文字は教えてくださいね！」
「はい、もちろんです」
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灯油マン(プロフ) - マリーさん» 200話を経てようやくムルが思い出しました！そう言って頂けて嬉しいです！ここから少しずつ登場調整しつつ、話を進めて行きます！ (2022年8月28日 5時) (
レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 占ツク開く頻度が減ってるので返信頂いてたの気づきませんでした！ありがとうございます！ムルが思い出して夢主ちゃんに弟子って言ってくれたの嬉しい(TT)作者さん並びにこの作品のファンは私含めてちゃんと見ているはずですので安心してください(^^ゝ！ (2022年8月27日 0時) (レス) id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - マリーさん» 盛り上がってまいりました！コメントありがとうございます！全然来ないので不安になっていたところでした！救われました！頑張ります！ (2022年8月19日 10時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - わ〜！わ〜！良い感じになって来たあー！！ (2022年8月19日 8時) (レス) @page11 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯油マン | 作成日時：2022年8月5日 9時
