144話 ページ48
「ヴィー」
「……」
「ヴィー！聞いてる？」
「え？ああ、どうしたの？」
1回目は返事がなかったから２回目は肩を揺らして声をかければ反応した。
「そこの床、抜けそうなんだけどちょっと見てくれる？」
「どこ？」
「机の向こう側、……もう少し右、そう、その辺」
ヴィーが机の下に潜って簡単に出て来れない場所へ行った時、私は薬を一気に飲み干した。
「……どこも抜けそうじゃないけど」
そう言って机の下から顔を出した時、ぱりんとガラスの割れる音がしてAが倒れた。
「は……？」
何が起きたの？
状況を整理しなさいヴィル・シェーンハイト。
今割れたのはなに？…部屋にあったもの？
……！！、薬が無くなってる。
まさか、この子……あの薬を飲んだの……？
「何してるの！？今すぐ吐きなさい！！」
意識が混濁としてるけどまだ目は開いてる。
背中を叩いてやるが、液体なのが災いして全く吐き出さない。
「……ヴィー……はそのままでも、……十分すごいから……ね」
それだけ言ってAは意識を手放した。
……嘘でしょう？
解除薬なんて作ってないわよ。
なにしてるの……本当になにしてるのよ！！
アタシがこんなものを作ろうって言ったから？
作ってしまったから？
……っ、どうしていつもこうなの。
頑張っても頑張っても望んでない結果が帰ってくる。
もう嫌。……1番の美しさも、VDＣの優勝も、好きな人もすべてアタシの手からこぼれ落ちていく。
人生なんて最悪の台本よ＿＿＿＿＿＿。
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軽油の人(プロフ) - 深い水に足跡を。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。これからもご愛読いただけるよう頑張ります！ (5月16日 8時) (
レス) id: cb73de7f61 (このIDを非表示/違反報告)
深い水に足跡を。(プロフ) - ストーリーもイラストも大好きでいつも読ませていただいてます。応援してます！ (5月15日 21時) (レス) @page5 id: 35bc9d7cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：軽油の人 | 作成日時：2023年5月15日 11時
