21人目の魔法使い〜フィガロルート〜 (ページ17)

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結婚して8年。

あの時生まれた子が結婚式の写真をじっと見ていた。

「お母さんたちの結婚式の写真に写ってる人誰？お父さんの後ろの人」

アリス・ガルシア、7歳。
見た目はフィガロ先生そっくりで、性格はルチルさんによく似ている。優しくて穏やかでまさに南の魔法使いっていう女の子。
……そして、魔力もそう。双子先生がフィガロの子供とは思えないほど魔力が弱いと言い放った。

でもいいの。
強い魔法使いじゃなくても私が絶対に守るから。

アリスの隣に立って写真を指さして教えてあげる。

「この人はオズさん、お父さんのお友達よ」

「かっこいい人ね」

「アリスはこういう男の人がタイプなの？」

「あっいや……タイプというか……南の国は優しい人が多いから、ミステリアスな人ってあんまりいなくて、ちょっとそこがかっこよかったの」

確かにオズさんって言葉少なだし、ミステリアスよね。
なるほど、アリスはこういう人が好きなのか。

「オズさんは本当にいい方よ。アリスが好きだと思うなら応援するよ」

「もう！お母さん！そういうのじゃないっ」

耳まで真っ赤にして走っていく娘を見て思わず笑みが零れる。アリスがオズさんを好きなんて知ったらフィガロ先生泡吹いて倒れるんじゃないかしら。