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次の日の夜、2人で話をした。
「俺にはよく分からない。愛とか恋とか……他人と生きるとかね。フリは出来るよ。愛してるふり、大切にしているふり、馴染んでともに生きている振り……けどそれは全部嘘だ。心のどこかで自分は線を引いてる。相手に深く関わったふりをしてるだけ」
ガルシアなんて偽名を使ってる時点で俺は全て嘘なんだ。
一緒に生きてきた南の兄弟にすら年齢までも偽ってる。
「そんな人を愛せるの?」
「もちろんです!……フィガロ先生、ご存知ないんですか?西の魔法使いは執着心が強くて、そして、……狂ったほど、好きになった対象に一途なのですよ」
知ってる。
ムルは月への気持ちを拗らせて魂が砕け、なおも愛するのをやめない。
シャイロックね愛と憎悪が拗れまくってムルへ形容しがたい感情を持ちながらもそばに居る、
ラスティカだって、何年前の話かもわからない花嫁に執着して今もその人を探しているのだ。
クロエはまだ若いけど、服飾への執着心は目を見張るものがある。
……一途、か。
俺とは正反対の言葉だな。
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作者名:灯油マン | 作成日時:2023年7月30日 1時