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｢姫さん、俺様がもらってやろうか？｣
困る姫さんの顔が見たくてそう言えば、姫さんはなぜか照れたようにしながらも元気よく｢はい！｣と即答した。
｢あ？｣
｢もらってください｣
いや、いやいや。
何馬鹿なこと言ってんだ。
まったくこれだから世間知らずの姫さんは困る。
困らせるつもりが俺が困る羽目になり、冗談に決まってんだろ。と指輪を置いた。
だが姫さんは俺の手首を掴んでじっと目を見てくる。
｢私は本気です。これでも一国の姫ですから、自分自身の将来についての責任は理解してます。生半可な気持ちで今の言葉に返事はしていません｣
あまりに真っ直ぐな目に俺は怯んでしまった。
｢そーかよ、悪かったな｣なんて謝るくらいには姫さんの気持ちは真剣だった。
こんな盗賊に姫が本気の恋だ？
笑わせるぜ。どこのおとぎ話だよ。
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作者名：灯油マン | 作成日時：2023年7月30日 1時
