21人目の魔法使い〜ブラッドリールート〜 (ページ12)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:2,072 hit

12 ページ12

｢もちろんです！｣

ぎゅっと手のひらのものを握りしめて姫さんは答えた。

まさか魔法舎に来て伴侶が見つかるなんざ誰が思っただろうか。
夕焼けに染まる道を2人で歩き出す。

｢西の国を俺様の国にするか｣

｢200年後くらいならいいですよ、お父様もいないし、私がのっとってやろうかしら！｣

｢200年なんてすぐだぞ｣

｢まあ！私からしたらずっと先です。｣

まだ17年しか生きてない私には200年なんて未知の年数よ。

｢国王は俺だぞ｣

｢いいですよ、私はお母様と同じ王妃します！｣

そうしたらお母様がいつも座っていた王妃の席に座って、国民を守るんだ。

ブラッドリーさんならいい王様になるだろうし！

｢ところでどこへ向かってるんですか？｣

｢北の国の俺様の住処だ｣

｢北の国！？私生きていけるかな……｣

｢家から出なきゃ平気だ。姫さんは無謀にも歩き回ったから死にかけたんだ｣

｢そうですね、ブラッドリーさんがまた助けてくださいますよね！｣

あの時の雪山みたいに、ブラッドリーさんはいつも私を助けてくれるのね。