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#夜とは ページ9

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まあまあ値の張りそうなマンションの高層階。モダンな雰囲気でまとめた部屋にポツンとひとり。

用もなければ、誰もいない。

黒と白のソファに沈むように寝転んだ。ぼふりと低い音を立てて私の身体を包むソファに瞼が落ちかける。


うとうと、もやもや、ふわふわ、


ぱちぱちと瞬きをしている間も目は細まっていき、徐々に釣り糸を引っ張られるように眠りに誘われていく。

だめだ、ここで寝ちゃいけない。ベットに行かなきゃ。


頭ではわかっているのだけれど、疲れ切っているのか身体は動いてくれない。地を這って動くことすらできない。

半分諦め、ゆっくり目を閉じる。

少し暖かいソファが心地よくて気づいたらそのまま眠っていた。

……

「おかぁさん、やだよ、おかぁさん」

胸上ぐらいの髪の毛を2つに束ねた少女。その腕の中には兎のぬいぐるみ。片手は誰かにひかれているのか、後ろを振り向きながら必死に泣いてみる。

私は傍らで立っていて、干渉の仕様もない。体が透けているのだから、多分夢だ。それも、昔の。


だから知っている。


少女の視線の先にいる母親がどんな顔をしているのかも、少女の手を引く人物も。これから先の顛末も、眼鏡の彼と出会うことも。


どろどろとした感情を引きずりながら目を覚ました時には深夜の2時で。

昨日はこの時間、ホテルにいたなぁ。昨日はまだ起きてたなぁとかなんとか。


「……嫌な夢。」


汗ばんだ背中にシャツが張り付いていて気持ち悪い。


「入間さんに会いたいなぁ……悔しいから、絶対に言わないけど」



久しぶりの更新ですみません。作者は今年受験生なもんでなかなかバタバタしてました。ゆっくりですが更新はしていくのでお付き合いいただけると嬉しいです(^-^)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/musou/  
作成日時:2018年12月19日 20時

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