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異世界の新居 ページ10

書類にサインをし、今日から此処に住むこととなった彼等だが、その顔持ちは神妙だった。


「それで、情報収集はどうでしたか?」

「簡易に申せば、『女尊男卑』の世界…と表せば分かりやすいのでしょう。
元は『男尊女卑』だったそうですが、何年か前に女性が政権を握った事で覆ったようですね。

年号はH歴。
そして、多くの女性は男性を排除した『中王区』に住んでいるそうです。男性は_____」


ツラツラと得てきた情報を簡易且つ適切に鬼灯へと伝えるAは、黒茶色のショートボブの髪を遊ばせた猫目のOLではなく、元のAの姿に戻っていた。


「それにしても、電話がいきなり掛かってきた時は驚きましたよ。場所と女性らしい格好で来てくださいというのは些か、情報が少なかったのでは?」


そう、何故OLの格好をAがしていたかというと、不動産屋で鬼灯が掛けた電話に理由があった。

あの時、情報収集に向かったAの格好は赤いランドセルを背負った小学生__つまり、部屋を借りる際の言い訳に相応しい年齢に見られないのだ。

そこで、鬼灯は敢えて『女性らしい格好』と伝えたのである。


「急いでいましたからね。分かりやすいでしょうし、何より他人の耳に入っても問題ありませんから。
と言いますか…私は逆に、その『如何にも小学校の怪談に出てくるトイレの花子さん』風の小学生の質問に答えてくれる人がいる事に驚いてます」

「それは私も驚きました。
しかし、下手に大人だと不審がられて終わりなので、小学生が適切だと判断しましたし、情報が得られればそれで良かったので」


そこで話は一旦途切れ、静かな沈黙が部屋を包む。
彼等の傍には、この世界に入る時に持って来ていた荷物の他、何一つ有りはしない。

そして、この部屋には亡者がいると言った鬼灯の目線は、Aが話していた時も、ずっと変わりはしなかった。


「……で、何時までそこで盗み聞きする気なんですか」

「ヒェッ」


天井と壁の交わる丁度角の場所、そこから女性の振り絞った様な悲鳴が聞こえ、鬼灯の鋭い目付きからだろうか、ドサッという効果音が付きそうな程豪快に、彼女が落ちてきたのだった。


「あ、天国行きの方も此方の世界に迷い込むんですね…」


落ちてきた彼女を見て、一言Aは少し感嘆を交えた言葉を発したのだった。

亡者の彼女→←交渉と契約



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無自覚サイコパス(プロフ) - ひなたさん» 返信が大変遅れてしまい申し訳ございません!!これからもひなた様に喜んで貰えるよう日々精進させていただきます。コメント、本当にありがとうございます。 (2019年2月5日 23時) (レス) id: d954a9a9d2 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 内容がすごく私好みでこういう小説が見たかったんで最高です…応援しております、、、!! (2019年1月31日 1時) (レス) id: 0dee45b0bd (このIDを非表示/違反報告)
無自覚サイコパス(プロフ) - るいさん» そのように言って頂き、喜びで天にも登るような気持ちです。ありがとうございます!!頑張って更新して行きたいと思います。 (2019年1月27日 11時) (レス) id: d954a9a9d2 (このIDを非表示/違反報告)
るい - 面白いお話ですね!!ヒプマイ×何かのジャンルで一番好きです!!これからも応援んしてます!更新待ってますー (2019年1月26日 1時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無自覚サイコパス | 作成日時:2018年12月14日 19時

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