依頼人の出身 ページ27
どうしても、どうしても彼等を重ねて見てしまう。
彼と彼等は…似ている様で全く異なるというのに。
これは、私が償わなければならない罪なのだろうか？背負わねばならない十字架なのだろうか？
業と罪が私の背に重く伸し掛る事で、私はあの人を思い出しているのだろうか。
リオネには大丈夫だと言ったが、それは私自身に言い聞かせる為の言葉だったのかも知れない。
「私も弱くなったものです。
あの頃は、身内ですらも討っていたというのに…」
ピピピッ
不意に、私の隠しに入れていた携帯電話器が震える様に鳴った。
見て見れば、『太宰』と云う文字。
私は、即座に通話釦を押した。
《やぁ、其方の状況はどうだい？何か変わった事でもあった？》
「……有りません。矢張り、異能力を使った方が良いでしょうか？」
《それは……》
《一寸、太宰。
Aでしょ、貸して》
《え"》
太宰の声を押し切る様に乱歩さんの声がした。
《A、異能力を使うなら出来るだけ探偵社の近くに空間を創って。
少し嫌な予感がする。若し、可能なら医務室に創った方が良い》
「分かりました。最善を尽くします」
《それと、此方には依頼人は何処にも存在しなかった。戸籍も存在しない》
それは詰まり、依頼人である渡辺さんは此方の世界に居る(存在する)という事を証明していて。
「分かりました、此方で調べます。
……あの、乱歩さん」
《何？手短にね》
私は、前から気になっていた。
敦君がポートマフィアに攫われた時、彼は社長の発言が無ければ動かなかった。
なのに何故＿＿
「何故、私の提案に賛同して頂けたのでしょうか？」
まあ、大体は想像出来てはいる。
多分…と云うか絶対にあの事だろう。
《そんなの決まってるじゃん。
君が居ないと、
*
*
*
＿＿君に預けてる僕の駄菓子が食べれないでしょ》
矢張りそうですよね。
というか、それ以外に乱歩さんが私の捜索に関わる理由が見当たらない。
でも、何故か私の心はポカポカと温かくなっていく。
「ふふっ、そうですね。
それを聞けて安心しました」
《変だね、Aは。
ま、昔からだけどね》
《あの、乱歩さん。
私の携帯を返して貰っても…？》
《Aさんと電話してらっしゃるのですか！？
私もお話がしたいです！》
《ナオミ、一寸……痛い、痛いから！？》
変わらない彼等の声が、
電話の向こうの日常が、
今の私にとって、一番の支えになっている。
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無自覚サイコパス(プロフ) - ほのかさん» 喜んで(?)頂けて良かったです。では、夢主さんからどうぞ、「“死んでも良いわ”ってあの人に今でも伝えたいの。ほのかさんも、想いは何時でも伝えた方が良いわよ？」ほのか様、コメント有難う御座いました！！ (2017年12月25日 16時) (
レス) id: d954a9a9d2 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 月が綺麗ですねぇぇぇ(´；ω；`)ｳｩｩ (2017年12月25日 15時) (レス) id: ac7138ced7 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆拓郎(プロフ) - 無自覚サイコパスさん» とある事件！！楽しみです！！頑張って婚約者を推理するぞー！！！ (2017年10月16日 13時) (レス) id: ad3a02f993 (このIDを非表示/違反報告)
無自覚サイコパス(プロフ) - チェリー☆拓郎さん» ヒントですね。答えは、とある事件の時に出そうと思ってますから結構後になります。頑張って婚約者を推測してみて下さい！ (2017年10月15日 23時) (レス) id: 96a0b03bdb (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆拓郎(プロフ) - ヒントか！！三文字なのか！！！！？？？？ (2017年10月15日 21時) (レス) id: ad3a02f993 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無自覚サイコパス | 作成日時：2017年9月26日 22時
