七話『訳あり少年餓死寸前』 ページ7
少年の名は敦。
―――訳あって、餓死寸前である。
曰く、孤児院を追い出され、食べるもの寝る所もなく、かといって盗みをはたらく度胸もなく。
とある河辺まで来てしまったらしい。
"行きたければ、盗むか奪うしかない―――けど―――。"
少年は空を見上げる。
夕日の陽が少年を照らし、少し肌が明るく見えた。
"お前など孤児院にも要らぬ!"
"どこぞで野垂れ死んてしまえ!"
孤児院を追い出される直前に、職員から云われた言葉。その言葉が脳裏に蘇る度に敦は拳を握り込む。
そして少年は、決意する。
生きる為と言い訳をし、次に目の前を通りかかった者、そいつを襲い―――財布を奪う。
決意した瞬間、人の気配を感じとった敦。
然し目の前には―――太宰が川を流れている光景が広がった。
犬⚫家を思い浮かばせるその流れ方(?)に敦は暫く硬直する。
____トプンッ
そして太宰の脚すらも川に沈んだ。
"―――これはノーカンで……!"
顔を真っ青にさせ、引き攣らせている敦はそう心の中で叫ぶ。
が、太宰が沈んだ辺りを鳥達が囲んでつついている。襲われている。
「ええい!」
この少年、お人好しだ。
人が襲われている処を見て助けるその心意気、まさに善人。
そして、この敦の判断が、彼の運命を急激に変える切っ掛けとなった――――。
*****
「やあ少年。君の活躍は見ていたよ!!」
―――――誰だよアンタ。
男を助けた次は、男に話し掛けられる。
何だか今日は厄日な予感がする、と敦は内心感じた。
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ヘルパー(プロフ) - 及川さん» ありがとうございます!私も正直何書いてるんだろうと思いつつ勢いのままに進めてます!w応援ありがとうございます!お応え出来るよう頑張ります! (2018年4月4日 15時) (レス) id: ee09beb631 (このIDを非表示/違反報告)
及川(プロフ) - 見たことのない書き方ですごい魅力的でした!!更新頑張ってください!影でひっそり見てますねw (2018年4月4日 15時) (レス) id: baff135399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヘルパー | 作成日時:2018年4月4日 12時