Master Doll 【BTS】完 (ページ5)

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__JKside

『あの...マスター様？』

「え、マスター？」

『はい。マスター』

マスターって、主人て意味だよね？

「俺が...マスター？」

『だからそう言っているではありませんか』

無表情だった彼女の眉が八の字に変わる。

「俺の...家」

『なぜシドロモドロなんです？』

「他に...、同居人が居るから」

『そうですか。

あ！』

突然彼女は大きな声を上げる。

「ど、どうしたの!?」

『ない』

「何が？」

『私の...カバン』

「カバン？」

そう言えば...

彼女の横にお洒落なアタッシュケースがあった様な...

『マスター。
私の鞄見ていませんか？』

「見た！...けど、置いてきちゃった」

『あっあっ』

可愛い彼女はいきなりアタフタとしだした。

「取ってくるよ」

あの鞄は大切なものだと理解し、
俺は急いで鍵を持って部屋から出た。

『待って下さい！マスター様』

玄関で靴を履いている時、
後ろから彼女が追いかけてくる。

「キミは此処に居て」

『いえ！私もご一緒に』

「わかった」

そう言って俺は彼女に手を差し伸べる。

その手を彼女は迷わず掴んだ。

_______________

「あった！これだよね？」

彼女を拾ったゴミ置き場に、
まだそのままの形でアタッシュケースが置かれてあった。

『良かった...無事でした』

鞄を持つと、
意外にも重たかった。

「これには、何が入ってるの？」

『私についての説明書が』

「それは大切なものだ」

宿舎に着くと、まだヒョン達は帰ってきてはいなかった。

彼女を連れ俺の部屋に入る。

「鞄...見て良い？」

『もちろん』

アタッシュケースを開けると、
蓋部分のネット素材のポケットには、
《説明書》と書かれてある薄い本があった。

そこには、
彼女の体について細かく書かれてあった。

■彼女の名前を口に出し呼ぶと彼女は目を覚まし本来の魂が宿る。

「名前って、俺呼んだ？」

『私の名前はUです』

「あ、呼んだわ」

手の甲にかいてあったあれ、名前だったんだ。

『あの、私また捨てられるのでしょうか？』

捨てられた子犬の様な瞳で俺を見つめる。

"また"？

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