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徐々にテヨンさん達は忙しくなっていき、いつの間にか一緒にレッスンができない日が続いていた。
そして私も、SMを去る日が近づいてきた。
実はテヨンさん達は、私が一年だけの練習生だと言うことを知らない。
言おうとしたが、言えなかった。
初めはテヨンさんとの時間を楽しく過ごしたかったから話さなかった。
でもデビューが決まってから話さなきゃと思ったけどもう遅かった。
｢どうだった、うちのレッスンは。｣
たまたま出会ったイ･スマンさんと、食事をした。
｢とても良い勉強になりました。
練習生は多国籍で色んな考えを学べてが楽しかったです。｣
｢楽しくレッスンしてくれていたのなら良かった。｣
この一年、イ・スマンさんにも沢山気にかけて頂いていた。
１ヶ月に一回あるかないかにレッスンを覗きに来てくれては、沢山話しかけてくださった。
｢正式にうちの練習生だったら、私がプロデュースするのにな。｣
お酒を片手に笑うイ・スマンさん。
｢そう言って頂いだけて嬉しいです。｣
｢将来、PLEDISの次にうちを贔屓にしてくれよ。｣
冗談のような本気のような口調に、背筋に力が入った。
｢はい、この御恩は一生忘れません。｣
PLEDISのレッスンと、SMのレッスンは違った。
なるべくのびのび練習させるPLEDISと、細かい所まで見て管理するSM。
事務所が違えば練習量も違う。
｢一年間お世話になりました。｣
お店から出てイ・スマンさんに頭を下げると、肩を軽く叩いてくれた。
その手には、期待と重荷を感じた。
その脚でPLEDISに向かった私は、SMでの最後の日の為の準備を進めた。
沢山の練習生の子達にお礼と感謝を込めたお菓子や飲み物の詰め合わせとコーチに渡す手紙。
そして…。
一年間一番お世話になったテヨンさんへの手紙とプレゼント。
時折PLEDISの事務所や練習生の寮の清掃アルバイトをして、地道に貯めたお金で出来るだけ高い贈り物を選んだ。
｢気に入って貰えるかな。｣
練習着でさえお洒落なテヨンさん。
それに会うように選んだプレゼント。
ただ、本人に渡せるかさえも分からない。
廊下ですれ違うことも今は無くなってしまった。
｢渡せるといいな。｣
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
