Blue Rose ページ14
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ある日のSMでの個人レッスン中。
いつも通りテヨンさんと二人で練習していると、知らない人に声をかけられた。
｢よっ！テヨン。｣
そこに居たのは、私とは別の日本人練習生の《中本 悠太》さんだった。
悠太さんの噂はよく聞く。
｢初めまして！キミがAちゃん？テヨンからよく聞くんよ！｣
私の名前を知っていることに驚いた。
そんな悠太さんの口を、テヨンさんが塞いだ。
｢ユタ！｣
テヨンさんのことなんかお構い無しに、悠太さんは話を続けた。
｢日本人でしょ？俺以外の日本人練習生がいるって聞いて、ずっと気になっててん！
ズルいわー。いつも二人だけで練習してさ。｣
ニヤニヤと笑いながらテヨンさんを見る悠太さん。
｢宜しかったら、悠太さんも一緒にどうですか？｣
そう言うと、二人とも驚いた顔をした。
｢えぇの？｣
私の顔を見たあとにテヨンさんの顔も見る悠太さん。
｢はい！…ダメ、でしたか？｣
テヨンさんの顔を見ると、一瞬だけ困った顔をした、
｢ううん。ユタも一緒なら楽しそう！｣
｢なら、そうさせてもらうわ！｣
練習メンバーが1人増えました。
正直な話、最近テヨンさんとの時間が苦しくなっていた。
楽しくて幸せな反面、もっと近づきたい欲がどんどん広がっていくのが嫌だった。
ごめんなさい、悠太さん。
私の我儘に付き合わせてしまって。
｢なあなあ、俺たち二人の時は日本語で話さん？｣
テヨンさんがいつの間にかトイレで離脱している時、悠太さんがそう提案してきた。
｢いいですね！最近日本語を忘れがちになっていたので助かります！｣
｢やっぱ？俺も忘れがちでさー、この前実家に電話したら笑われてん。｣
眩しい笑顔を向ける悠太さんに目が細くなってしまう。
｢そういや、テヨンから聞いた？俺たちデビューが決まってん。｣
一大事なことをサラりと発言する悠太さん。
｢…え？｣
ってことは…もう一緒に練習出来ないのか。
そっか、とうとうデビューが決まったんだ。
テヨンさんの姿を画面越しで見れるのが素直に嬉しい。
でも、もう会うことも少なくなるのかな。
｢…おめでとうございます！｣
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
