【黒バス】アイツは変人マネージャー (ページ31)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,704 hit

―Purple,②― ページ31

紫原「杏ちんおそーい」

そう、私は時間に少し遅れてしまった。

「オシャレに手間取っちゃった♡」などのお茶目な理由ではなく、普通に遅れただけ。

寝坊も夜更かしもしてない、ただ家を出る時間が少し遅かった。

杏「ごめんごめん。でもま、遅れたって言っても3分くらいだから許してよ？」

紫原「オレはちゃんと1:00ピッタリに来たけど？」

普段の生活とかプレーとか見てても、時間には疎いと思ったんだけどな～。

意外にルーズな人みたい。

杏「ごめんって紫原」

そう言うもあまり機嫌は良くない様子。

ムッスーとなっている状態は非常に子供のようで可愛らしいのだけれど、紫原の機嫌は損ねるとあとが面倒だ。

杏「パンケーキの他になんか奢ってあげるからさ。それでチャラにしてよ」

紫原「マジでっ！？」

杏「おう！」

紫原「じゃー許すっ」

途端にニコニコと笑い、周りに花を咲かせる紫原。

あぁ、チョロいな。

紫原ってなんか「飴あげるからおいで」って言う不審者についてっちゃいそう。

紫原「じゃ、行こ杏ちん」

そう言って私の手を握った。

性格が子供っぽいせいか、私より随分と大きな紫原の手は男子なんだと思わせた。

.....だがしかし、やっぱり私の頭上にある顔には無邪気な笑顔が浮かんでいる訳で。

子供だな、と思ってしまうのは致し方ない事。

杏「うん、行こっか」

そしてその笑顔につられ、自分自身も笑ってしまうのも致し方ない事だ、きっと。