再会 38 ページ38
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『 天馬も頑張ってるみたいじゃん。
晴たちが桃乃園に抜かされそうって焦ってたよ 』
天 「 抜かされそう、か 」
『 まあ、ライバル校だしね。』
なんて、天馬は1ミリたりとも思ってない。
英徳とは仲良くなりたいって言ってたもんね。
………特にC5のリーダーである晴とは。
お互いが競っているわけでは無い。
天馬は勝ち負けとかじゃなくて、純粋に桃乃園を良くしようと前向きに頑張ってる。
ただ、晴たちが変に対抗心を燃やしているだけ。
……お金持ち同士仲良くすればいいのに。
そんな言葉、晴たちには通用しないんだろうけど。
『 私はどっちの学園も応援してるから 』
天 「 まあ、Aちゃんらしいね 」
どっちか、じゃなくてどっちも。
生憎だけど、私にはどっちかだけの味方になるなんて、そんなスキル持ち合わせていない。
だから、こんなあやふやにしちゃうの。
………でも、その方が気を遣わないから楽でしょ?
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天 「 ……ねえ、聞いてもいいかな? 」
少し遠慮気味に聞いてくる天馬を見て何となく察した。
いつか聞かれるとは思っていたから。
『 ふふ、健人くんのことでしょ? 』
無言で頷く天馬を見て、ああこの子は嘘つけないんだなあって。
……まあ別に、聞かれてまずいことでは無いからいいんだけど。
『 大体分かってると思うけど、健人くんは私の婚約者。アメリカで会ってね。そしたらいつの間にかこんな風になっててさ 』
ビックリだよねーなんて笑って見せる。
あの時はビックリなんて言葉じゃ表せれないくらい
しんどかったなぁ。
………正直な所、実は私もよく覚えていない。
アメリカの学校で会って日本人は私と健人くんだけで。
そこから意気投合して、それを見たお父様がこの人だとか何とか言って決めたんだっけ。
…………健人くんは私に良くしてくれている。
だけど、それは義務みたいなもので。
私の婚約者だから。ただそれだけの事。
彼は、小さい頃から両親が忙しいせいか一人ぼっちだったみたいで。
あ、この人は私と似てる。そう思った。
私自身も同情しているだけで好きだと感じた事は
正直一度も無かった。
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作者名:ゆんまる。 x他1人 | 作成日時:2018年4月19日 18時