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再会 29 ページ29

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晴とは合流して、おばあさんと3人で道明寺邸を散策。


廊下を歩いていると、晴はくるくると回りながら目を閉じ息を吸って何かを感じているよう。





『 何してんの? 』


晴 「 決まってんだろ、体の細胞全部!この空間を味わってんだよ 」


……やっぱり馬鹿だ。




『 ほんとに好きなんだね、道明寺さんのこと。』


晴 「 好きとかそんな言葉じゃ薄っぺらすぎる……!!」



いや、じゃあ何、愛してるとでも言うの??

……それは、流石に応援出来ないよ、晴。








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晴 「 …なあ、A。俺は誓うぞ。この尊い場所に恥じない英徳のリーダーになる。道明寺さんが居た頃みたいに皆が誇りに思える学園に戻してみせる 」





晴 「 桃乃園なんかに負けねえ 」



芯の通った声で晴自身の本音を言ってくれた。
…こんな風に思ってたなんて、知らなかった。


晴は昔からそうだ。
自分の気持ちは偽りなく、伝えていた。
真っ直ぐで純粋でそんな晴が羨ましかった。






そんな晴に私は、罪悪感も芽生えた。

晴はこんな真剣に心の中を明かしてくれたのに、私はどうすればいい…?






『 そっか、』


今は、それだけしか言わない。

いや、言えない……









「 熱い男は嫌いじゃないよぉっ 」


「 坊ちゃんも、そうだからねぇ!」


晴 「 マジすかァ!」


嬉しそうにおばあさんについて行く晴を私はどんな顔で見ているのだろうか。






『 ……っ、』




ねえ、晴、








……晴は健人くんが、桃乃園の生徒だって知ったらどうする?


私の婚約者が貴方のライバル校に居るだなんて知ったらどうする?









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晴 「 A?早く行くぞ! 」


『 う、うん 』





_____結局言えないまま、私は弱い自分になるんだ。



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作者名:ゆんまる。 x他1人 | 作成日時:2018年4月19日 18時

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