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旅立ち(2) ページ5

旅立ち(2)
エマ:「うん。それにペルラおばさん聞いて!!神の岩の頂上でね、私達、魔物に襲われたの。私なんて崖から落ちそうになっちゃって.......本当にもうダメ.......!!って思ったの。そしたらイレブンの痣がピカーッて光って、雷が魔物に直撃したの!!まるで、彼が雷を呼んだみたいに!!」
市川:「クッ。」
エマの話を聞いたペルラは「なんだって!?」と瞳を大きく見開かせた。そしてイレブンの痣を見つめながら.......

ペルラ:「イレブンの痣が光って魔物を退けた.......?そうかい、そんな事があったんだねぇ。」

ペルラは瞳を閉じて続けて話す。

ペルラ:「考えないようにしていたけど、おじいちゃんが言っていた通り、運命には抗えないのかねぇ...................遂に、あの事を話す時が来たようだね。」

ペルラはイレブンに近付き、「これを受け取りなさい」と言う。翡翠色の首飾りだった。中心には何かの紋様が描かれていた。

陽菜:「(ユグノアの紋様、だっけ?)」

ペルラ:「アンタが成人の儀式を終えたらその首飾りを渡すようにおじいちゃんに頼まれていてね。」

そう言うとペルラは1度目を背ける。

ペルラ:「.......実は16年間。私はみんなにも言わないで黙っていたことがある。」

陽菜:「(それは彼が.......)」
市川:「...。とんでもねぇ宿命をもってんだな。」
“勇者の生まれ変わり”であるという事。

その真実を聞いたイレブンは「え?」と言葉が漏れた。

ペルラ:「勇者が何なのかは分からないけど、あんたは大きな使命を背負ってるって、おじいちゃん、ずっと言っていたわ。アンタが成人の儀式を終えたら北の大陸.......デルカダールに向かわせて欲しい。そして、王様にその首飾りを見せた時.......全てが明らかになるだろう.......って。だからあんたは勇者の使命を果たすためにこの村を出て、デルカダールに行かなきゃいけないんだ。」

エマ:「そんな.............。」

────翌日.......

村の全員と話をしたイレブンは今、旅立とうとしていた。

イレブン:「それじゃぁ、行ってきます。」

ペルラ:「あぁ、行っておいで。」

エマ:「イレブン、私のお守り大切にしてね.......。」

イレブン:「勿論!!.......あれ、陽菜は?」

陽菜の姿を探すイレブン。すると.......

陽菜:「お待たせ〜。この子達をつれて来てた。」
市川:「クークックックw。」
馬二頭を連れてイレブンの隣まで来た。

イレブン:「.......一緒に来てくれるの?」

陽菜はその問いには答えずにウインクする。

イレブン:「.......ありがとう!!」

長い旅の始まりだ──。

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作者名:ひな | 作成日時:2024年3月18日 22時

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