我儘は1度だけの人間だ ページ30
ここからの距離だと、少し日をまたいでしまうが
まぁ大丈夫だろう、そう思いながら、隠さん達におぶられながら、何も見えない、聞こえない、匂わない、この状況で、なるがままに産屋敷邸に着くまで静かに目を閉じた。
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「おい、……おい、起きんかコラ」
「……起きろつってんだろうが!!!」
『……!?』
今の現状に全く理解が出来ない。
何がどうなってる。
というかどうしてこの人はこんなにも口が悪いのだろうか、そう思いながら目をこすれば
どこか、見た事のある顔と声だということがわかった。
『すみません、貴方は確か…柱合会議で炭治郎を起こした人ですよね?』
「あ、あぁ…、ってこんな事してる場合じゃねーよ!
お前がすやすや気持ちよく寝てるせいで御館様に気を使わせてしまっただろうが!!」
だから怒ってたんだこの人
あの時も怒ってたなあ、そう思いながらこの人の話を右から左へと聞き流していれば、「もう起きたのかい?」と綺麗で心地の良い声が聞こえては、私と隠さんはすぐ様膝を立てては頭を下げた。
そして、隠さんは静かに失礼しましたと言ってこの場から離れてゆく。
正直いえば、行かないで欲しい。
これから言うことに緊張し過ぎて私は死んでしまいそうだ。
なんて思いながら頭を下げていたままでいれば「顔を上げて、久しぶりだね」そう言われてはゆっくりと顔を上げた。
前よりも酷くなっていた。
もう、首にまで侵食されては、隣にあまねさんが付いてなきゃやっとのことなんだろう
『お久しぶりです、御館様』
『急で申し訳ございません
この度は御館様にお伝えしたいことがあり、ここまで足を運ばせていただきました』
「それで、伝えたい事とは何かな?」
御館様はその場を静かに座った。
優しい声で、もうわかっていると言わんばかりに優しく微笑んでいたその姿に、少しだけ緊張が和らいだ。
『この度、六鬼Aは階級【柱】に昇格する件についてお引き受けに来ました』
「そう、やっと覚悟を決めたんだね」
「君は今日から_」
『【炎柱】』
「「!!」」
言葉を遮ったこと、申し訳ございません。
貴方の命令を引き受けるのを長引いて申し訳ございません。
これが、最後の我儘です。
御館様は、眉を下げては「それでいいのかい?」ともう一度聞いてきた。
私は首を縦に振っては御館様は納得したように口を開いた。
「今日から君は【炎柱】だ」
「鎹鴉、皆に報告するよ」
【炎柱】という人間だ→←戻らない、止まらない、進むだけの人間だ
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作者名:ハクリン☆(中二病JC) x他1人 | 作成日時:2019年8月3日 22時