【鬼滅の刃】私は鬼では無い、人間だ。 (ページ28)

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小さな炎は何をしたって消せやしない人間だページ28

｢そうなんだ…｣

俺が発した言葉は静かに消えていき、パクリっと1口饅頭をかじる。
彼女を見れば、饅頭を食べながら遠くを見ていた。

更に酷く濁った深紅の目

煉獄さんとは大違いだった。
彼女の瞳には何が映ってるのだろうか、怪我続きの彼女の様態は更に悪化していると聞いていた。

それなのにも関わらず、燃えるような、炎の羽織を羽織っているということは、いつか、彼女もあの人の後を追って死んでしまいそうだとわかった。

音が聞こえる。

前の音よりも小さくなっていた。
あの人のようにならなきゃ、って焦ってる。
皆を守らないとって…
死に急ぐような音は、聞いててこちらも辛かった。

｢柱になったんだね、あの人の後を継いで｣

彼女は饅頭をかじるのをやめた。
そして、こちらを向いては微笑んだ。

誰かと似ている。
いや、真似ている。

『継がなければ、ここで途絶えはさせない』

『俺(私)の炎(命)が尽きるまで』

『私は、炎柱だ』

そこで何かが変わった。
ボワッと消えかけた炎がまた、燃え上がっていた。

｢そっか｣

俺は｢頑張れ｣と言って笑った。
これが間違いかは、分からない。
しかし、生きている限り彼女に言う言葉はもう無い。
彼女はまた決心した。
後は俺達が、彼女を支えなければならない。

この青い炎を消さない為にも

善逸side～了～