115錠 ページ26
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｢…何だこれは｣
気の抜けたような声を 相澤先生は口からこぼす。
先生が落とす視線の先は私の手の中の丸っこい機械。サッカーボール程の大きさだろうか。
私はそれを先生に手渡して、ポケットから小さなバッジを取り出した。
｢このバッジのボタンを押すと、その装置のアラームが作動します。緊急事態を知らせるための｣
｢いや、それはいいんだが…｣
まだ説明途中なのに、言葉を遮られる。
それほどに先生は戸惑っているようだ。珍しい。
｢このデザイン…猫か？｣
｢はい、猫です｣
よかった、分かってもらえた、と小さく喜ぶ。
余っていたパーツと時間をフルに活用した結果、球体に猫耳と尻尾をつけることとなったのだ。
猫に見えなかったですか、と尋ねると、相澤先生は「いや、意外だな」と装置を視線でじっくり辿る。
その瞬間、ちょっとしたイタズラ心に唆され、試しにボタンを押してみる。
ビーッ！と大きな音が鳴り響いた。
…ちらりと先生を見上げてみるも、
｢…なるほど｣
全く驚いていない。さすがヒーロー。
思惑通りには行かず、謎の悔しさが残るだけだった。
｢聞いていたより出来は悪くないな。多分、合格｣
一体どんな評判を耳にしていたのだろう。
少し気になるところではあるが、何はともあれ 案外すんなりと受け渡された合格の言葉に「そうですか」と、ひと安心する。
｢と言っても、まだ教師の審査は残っているが…筆記の成績を考慮すればお前の林間合宿行きは確定だろうな｣
ちゃんと準備しとけよ、と残し、先生は猫(装置)を持ったままくるりと踵を返した。
…あの猫、どうなるんだろう。
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
