114錠 ページ25
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｢それで、なぜここへ？｣
背後で発目さんがそう問いかける。
カチャカチャと音が鳴っているから、アイテムの調整でもしているのだろう。
｢実技試験がサポートアイテムの製作だと言われまして…｣
数秒置いて、頭の中に浮かべた設計図を紙に殴り書きながら その呑気な質問に答えた。
こうやってまともに作業をするのは、サポート科の授業以来だ。
まだ不慣れな作業に手間取っていると、背後から軽い笑い声が聞こえてきた。
｢サポート科で1番失敗作を出すあなたにはなかなか厳しい話ですね！｣
｢…ええ、その通りなんですが、しばらく黙っててもらってもいいでしょうか｣
その通りだ。その通りだけど、優秀なサポート科の中での話なんだからいいじゃないか。
そんなふうに、敬語に包まれた刺々しい言葉が飛び交う。
この学校で付き合いが1番長い人は誰か、と言われれば恐らく発目さんで、そのせいか なんだかんだ彼女といる時間は心が楽になる気がする。
苦手なこの作業と相まって、なんだかサポート科がとても懐かしいものに思えた。
ある程度構想が出来上がり、ガラクタのようにダンボールに詰め込まれた白色の部品のひとつを手に取る。
その瞬間、視界の端に映る発目さんが 微妙に不満そうな表情をするのを、私は見逃さなかった。
｢…何ですか？｣
｢いやぁ、時折あなたの作品を研究室で見かけてましたけど…相変わらず見た目に面白味がないですね｣
そんな引き気味に言われるなんて。
確かにヒーローにとっては少し地味かもしれないが、無彩色は使いやすいのに。
だけど、その遠慮のない物言いは今のような状況においては非常に助かる。彼女は高いセンスと技術を持っているから、従っておいて間違いはないのだ。
手に取ったそれを見つめ、考える。
ダンボールの中をもう一度探り、目に入る様々な色の中で ひとつ、一際目を引くものがあった。
『 無意識 』
私がそれに手を伸ばした理由を表すならば、まさにその3文字だった。
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
