契約恋人__Kei.I (ページ10)

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教室についても向けられる、白い目。

伊野尾くんと登校したことバレたんだよね…きっと。

最悪の二文字だけが頭をループして、そのまま席に座る。

隣の席がいない私の席、

なのに今日は見たことのない顔ぶれの人がいた。

大「今日の朝の子だよね？よろしく！俺有岡！」

「…はい？」

大「ほら、なんか伊野ちゃんと手繋いでたでしょ！！」

一気に、クラスのみんながわたしを見る。

伊野尾くんと手を繋ぐことは重罪なんだと知った。

大「あ…あ、ほんとごめん。」

周りのことをやっと察したのか小さな声で謝ってきた。

もう遅いっていうのに。

大「もう、ね？ごめんって。

本当に。本当にごめん。

ほら、笑ってよ！大貴スマイル！！」

大貴スマイルだなんて厨二病か、と思ってその人のことを見ると、不気味なぐらいににこにこしていた。

その顔を見て思わず、吹き出してしまった。

大「やっと笑ってくれた、ふふ笑」

そう言うと、身長は小さいのに大きい手で頭をポンポンと撫でてくる。

伊野尾くんだったら…とつい考えてしまう自分がいた。

それからは大貴くんは一方的に話進めるばかりで、ほぼガン無視していた。

その途端、勢いよくドアが開いた。

慧「…Aっ！！！」

一瞬にして、ふわっと包まれる体。

伊野尾くんの匂いですぐわかる。

慧「大ちゃん、やめてくんないかな。」

大「遊んでるやつに言われたくないんだけど。」

いつの間にか、私を挟んで、

バチバチとした視線で、争いが始まっていた。

慧「俺はっ…！！」

大「ほら、何も言えないんでしょ？

今にでも、奪ってあげる________」

慧「…っ…。」

何か言いかけたようにして伊野尾くんは黙った。

初対面のはずの人がなんで話してるのか、

何のことで言い合ってるのか、

私には、わからなかった。

大「よろしくね、Aちゃん？」

ニコッと王子な笑顔を見せる有岡くんと、

その奥にきつい目で有岡くんを睨む伊野尾くんがいた。

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