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慧「ねえ、なんなの?」


「っ…!?」



昼休み前に、無理くり腕を引っ張られて使わない教室に来た。

伊野尾くんは、答える時間も与えなかった。





慧「意味わかんないんだけど。」




慧「なんであいつと絡むの。」






怒り口調で、何度も唇を離しては角度を変えてまた重ねて、

強引なキスだった。








慧「約束したよね?」





「…んん…っ」





慧「仮にも、恋人って。」







“ 仮にも ”



仮の彼女だよね、私は。



所詮、仮なんだよ。




本当の彼女なんかじゃない…








私は伊野尾くんを突き飛ばした。





「…仮の…彼女なら…気安くキスしないで……」


「仮なら……仮なら……キスなんてしないでよ!!!」






ひとしずく、涙がこぼれた。

無意識的だった。

涙が出る理由もわからなかった。




慧「違う…っ…。」



そんな言葉など聞かず、

私は教室を出た。




やっぱり、最低だ。

気安くキスなんてして、

仮の彼女ならそれぐらいで怒んないでよ。









慧「…ごめん。」



伊野尾くんがこぼした、その言葉は



廊下の賑やかさと共に消され、私の元まで届かなかった。







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kanon(プロフ) - 最新頑張ってください! (2017年5月29日 0時) (レス) id: 8fd14416db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モモ | 作成日時:2017年2月4日 20時

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