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『……社内、案内するからついてきてください。』







この空間でこの状況。
非常にまずい。


まずは、この会議室から出るためにも会社を案内すると言うと彼はコクっと頷いて、私の真横をついてくる。









『…そこに、コピー機があるから好きに使っていいです。あ、でも無駄遣いはだめです。

他になにか質問はありますか?』









早口でぶっきらぼうにいう私はさもかわいくない女だろう。でもそれでいいんだ。


彼は相変わらずその大きな目に私を映す。








『…なにかありますか?』









私の問いかけに、彼は首を振る。








『なければ戻りましょうか。』








またまた首を振る彼。
ほんとに変な人だ。








『じゃあ、何か気になったことでも?』



「……………敬語、やです。」







間を置いて、ゆっくりぽつりと呟かれた言葉。

低くて、癖のある声なのに、
すとんと心に入ってくる不思議な声。



私、男の人の低い声苦手なのになぁ。








『や、って。
…私は仕事とプライベートは分けるタイプです。』








そう言えばわかりやすくしゅんとする。
尻尾が垂れたわんちゃんみたい。



うっ、なんだか悪いことをした気分じゃんか…

出来るだけ距離を保って、あくまで会社の先輩、後輩の関係、それ以上の感情を抱いてしまわないようにしようとしてたのに。


これ以上近づいたらだめだ。







そうじゃないと、どうせ、苦しくなる。









でもさ、でもさぁ…!
そんな顔されたらさぁ、







『………あーもう!考えておきますから!
ほら、行きましょう!』








今度はぱやぁーっと顔をキラキラさせる。
お菓子を買ってもらえるとわかった子どもみたい。





そんな彼に、
自然と笑みが溢れ、何かが満たされていく。












そんな気がした。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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k-pop大好き - とても、切ないお話でした。。推しがテテなので、過去に失った大切な人がテテと知ってモヤモヤしました。。最後、テテが主人公を呼んだ時に涙が止まりませんでした。。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 148acec4a4 (このIDを非表示/違反報告)
kore(プロフ) - あきさん» あき様、コメントありがとうございます。面白いと言っていただけて嬉しいです…!私も書きながらどんよりした気持ちになりましたね…。なのでハッピーケース!!ハッピーになってもらえたらなと思います!! (2020年10月9日 22時) (レス) id: 2761e1482c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 読み進めていくなかで覚える違和感、最後の一行ですっきりしました。が、気持ちは、、、泣。どうかハッピーケースが訪れますように!とても面白かったです!!他のお話の更新も楽しみにしてます。 (2020年9月7日 1時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バム. | 作成日時:2020年9月6日 3時

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