冨岡さん、人違いです！【鬼滅の刃】

おかしな話 ページ1

「柏原ちゃんって酒強いのな。すげえ」

『そんなんで褒められても嬉しくないです』

女としては弱い方が都合良いから。多分。
でもこういうところで弱いふりするのも嫌だし。

「ぶっちゃけ合コンとか来たくなかったんじゃね。
全然落ちそうにないし。鉄の女だな」

『そんなことないですよ』

これは本当。
心から来たくないものには架空の用事を被せて来ない。

でも、期待はしていない。

『私って理想高いんですかねー』

「いや、今どき合コンでガツガツしてる子の方が珍しいって」

『珍しくはないでしょう…面白いですよ、合コン。
変な人いるし』

この前会った人なんて、すごいおかしな話してきたな。

『ご先祖様が鬼を斬る仕事してた〜って
なんでも当時は鬼が人を食ってたなんて言うんですよ』

せめて自分の武勇伝を話してくれって感じだが。

「あぁ、それなら俺も聞いたことあるわ。割とガチらしいぜ」

『嘘』

この人も、変な人か。


…そういえばこの前別れた彼も、そういう話してたなぁ。




「そんじゃ」

『さよーならー』

今日も誰とも連絡先交換しなかった。
それっぽい感じになった二人もいないし…まぁそんなもんか。

多分こんなとこじゃ出会えないよ、楽しいけどさ。


『はぁ、もっと刺激的な出会いがあればいいのに』

大きめの独り言。

言霊って本当にあるんだね。


私は、この言葉を猛烈に後悔するだろうが
そのときの私は知るよしもない。

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