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「次が最後｡機械整備室!」
「チーノさん､だっけ?」
「うん､まだチノーンで捜索してる筈だから挨拶してこう」
ゾム､ヤーデ､らんらんが機械整備室の手前の廊下で話をしていたその時､
ｼﾞｼﾞｰﾋﾟｯ
耳元で音がした｡
これはインカムの個人通信の音｡
俺はゾム達から少し離れてインカムに指を当てた｡
「ん?どうしたんめう?」
『あー､オスマン｡実はこっちが荒れてきてな､お前も来てくれないか』
俺が訊くと帰ってきたのはグルッペンの声｡
「全く……アイツらは俺が説得出来る､ゾムとヤーデはひとらんとオスマンに任せるゾ!
って言ってたのは､一体何処の何っペンめう?」
数時間前のグルッペンとらんらん､チーノ､俺の会話を思い出しながら呆れて俺は言う｡
『うっ…め､面目ない』
「…しょうがないめうね｡
俺も行くから少し待っとってくれめう」
説得が出来なかったからと言って､しない訳にもいかん｡
俺が言ったら大丈夫やろ｡
それに､ヤーデは良い子なんやから｡
『う､うむ』
俺はグルッペンの声を聞きインカムから指を離した｡
「らんらーん｡グルッペンに呼ばれたから先行くめうね〜」
俺が先を歩くらんらんに言うと､らんらんは少し目を見張った｡
けれど直ぐに顔を笑顔に戻し「こっちは俺が見とくから大丈夫だよ」と言い俺の事を見送ってくれた｡
後ろから聞こえる声を聞きながら､俺は足を速め階段を降りる｡
暫く歩くと大きな扉が立ちはだかる｡
食堂の扉や｡
一仕事するめうか
ゾムの為に､ヤーデの為に
俺等の為にも｡
俺はゆっくりと扉を開けた｡
―――――――――
うむ､どうしたものか｡
「だからな､ヤーデ君はゾムの妹にするんだゾ｡諸君もその警戒を解け」
食堂に幹部の殆どが集まり､椅子に座りつつも言い争いをする､コイツらに言う｡
「いや
「しかも“あの子”が倒れてたのって北側のH国の方なんやろ?そこ､H国の兵士の目撃情報があったとこやん」
否定的､敵意もろ見えのコネシマとシャオロンが言った｡
「俺は置いてもええと思うで｡頭を撫でた時､優しい瞳をしとった」
「ワイも賛成っす!そもそも記憶喪失ってしんぺいさんが診たんやないっすか」
「…それにゾムがあの名前を付けた時点でわかるやろ｡もう俺等に決定権は無いで」
そして賛成派のトン氏､ショッピ､鬱｡
うむ､どうしたものか｡
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作者名：アンバ | 作者ホームページ：ないと思ったか！……ないんですよねぇ
作成日時：2020年12月30日 20時
