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☆亀更新すいません
初めてきた城下町｡
「人多い……」
「せやなぁ､今日は休日やし」
「迷子にならんようにな､ヤーデ」
ゾム兄はそう言って私と手を繋ぎ、街の中を歩き始めた。
お城の門を出て、外壁を出て、それらが建つ丘から更に降りていった先に城下町はある。
ゾム兄によるとここは我々国の中で最も栄えている場所で、元々あったインテレサント国の首都があった場所だったらしい。
「幹部様だ！」
人が多くて進むの大変そうだな……、と思っていたのはどーやら思い違いだったみたい。丘の麓の広場を出発すると、びっくりするほど人が左右に分かれて私達を通してくれた。
左胸に手のひらを当て、我々国の敬礼を私達に向けてる。
「ありがとなぁ、みんな。そんな気張んなくてええよ」
「そそ。今日は休みで買い物しに来ただけやから、あーなんや、いないものと思ってくれぜ」
鬱先生とゾム兄が周りの国民に声をかけると、国民たちは日々の感謝を述べた。
やっぱりこの国の幹部様。国民たちからは人気みたい。
「デアレッヒャー卿！失礼ながらお聞きしますが、そちらのお嬢様はどなたにあられますか？」
と聞くのは近くのパン屋さんの男性。
急な問いかけに目をぱちくりとさせたゾム兄は、手を繋いでいた私を前に出して笑顔を国民に見せた。
「俺の妹のヤーデや!!よろしくな!!」
おおっ、と声が上がる。
「名前呼ばれたら手ぇ振ったってな」
ゾム兄は私にそう囁いて歩き始めた。
少し恥ずかしいけど、国民は満足そうで安心する。
やっぱりゾム兄たちは国民に慕われてるんだ。凄い。
ゾム兄の腕の上でほっと息を吐いたとき、後ろから大先生がゾム兄に追いついた。
「ゾムチャン、どうしてっ、どうして貴方はそうやって、事前に話してたこと無視しちゃうのっ！」
「えーだってなぁ、うーん……めんどかった」
「素直でよろしい！まあ、俺が説明したから大丈夫やと思うけど」
確かに、事前に私は他国の親戚の元からゾム兄のとこへ来たことになった、と説明する予定になってたけど、まあしょーがないよね。
「雑用は大先生の仕事やし」
「この借りは高く付くぞ、ゾムぅ」
「あーメシ奢るわ」
「すみませんでした」
「大先生情けなあい」
そうして賑やかな会話を続けていれば、ゾム兄が話してたと思われる服屋についた。
「どれでも好きなの選んでや、ヤーデ」
優しそうな店員さんにお店を案内されたけど、私は店先にあったエンジ色のワンピースに目を惹かれていた。
続く (更新停止中)
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作者名：アンバ | 作者ホームページ：ないと思ったか！……ないんですよねぇ
作成日時：2020年12月30日 20時
