-12- ページ13
それを見て俺は口を開く｡
「…ここ数日のゾムの様子を見ていただろう?
我々は“あんな奴ら”とは違う｡だが､ここでヤーデを見捨てれば､追い出してしまえば､我々は“あんな奴ら”と同等以下に成り下がる｡」
“経緯は違えど､ヤーデも我々も､同じなのだよ”
その俺の言葉を聞いてか､ショッピはシャオロンの胸倉から手を離し､ヘルメットを深く被って目元を隠した｡
ショッピの肩が細かく震える｡
それが､悔しさからか､怒りからか､悲しみからか､はたまた全てからかなのか｡それは誰にも分からないだろう｡
シャオロンもその姿を見てか「……流石に言い過ぎた､わ､…ごめん」と謝る｡
仕方の無い事だろう｡
此処に居る全員は互いに互いの“
「…“ヤーデ”の事は認める｡……どうにか打ち解けれるよぉ頑張るわ」
弱々しくニカッと笑い､シャオロンは言った｡
そのまま大人しく自身の椅子へ座る｡
「……お､れも言い､過ぎました｡…少し､頭､冷やすわ」
ショッピもぼそりと呟くと､端にある紫を基調とした椅子へ｡
また少し空気が重くなった｡
「理解はした｡理解はしたが､納得はしてへん｡承諾はしとくけど､俺は俺なりに“あいつ”を見定める」
ショッピが席に座ると同時にコネシマが言う｡
すまねぇなショッピ､とコネシマは冷徹に､何かを見定める様に見て続けた｡
嗚呼､そうだ｡今は､それだけで充分｡
「では､“ヤーデ君はゾムの妹に､そしてこの城に住まわす”こととするゾ」
俺のその一言で会議は終わるのが､この
それぞれの心情があるだろうが､全員が頷いた｡
「……ヤーデちゃんは凄いですね…｡あんなだったゾムさんを何時も以上の笑顔に変えてるんですから」
私達の面目丸潰れやわw､と苦笑いを浮かべて言うのはエミさん｡
……それが､依存にならないと良いのだが｡
良いことなのか悪いことなのか､よく分からないが､しょうがないか｡
「治療したの俺なのになーw」
「俺も監視カメラで見守とったのになぁ」
「ロボロ普通に気色悪くて草」
「部屋の用意､俺がしたのにめぅ」
「オスマンが用意したんやったらなんか仕掛けられてそうやなぁ!ww」
「流石､変態紳士w」
「うむ､人選間違えたか…w」
といつもの様に談笑していれば､再度､食堂の扉が開いた｡
「ちぃーす!待たせたな!ほら､ヤーデ､良い匂いするやろ?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アンバ | 作者ホームページ：ないと思ったか！……ないんですよねぇ
作成日時：2020年12月30日 20時
