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かれこれ三時間弱｡
慣れた手付きで俺はドローンことチノーンを操作する｡
北方見張り一般兵からの､H国兵士の目撃情報を頼りに北側に広がる森を索敵していた｡
特に大きなトラブルも無く､そろそろ索敵予定の範囲も終わる｡
それにゾムの妹､ヤーデちゃん｡
さっきのインカムの内容やと殆どグルッペンさんの読み通りやったらしいし､ひとらん達もこの機械整備室に来る頃やろうか｡
ほんまは俺もヤーデちゃん達とはしゃぐ予定やったんに……
誰やねん!何処に目ぇ付けてんねん!
兵士なんてこれっぽっちも居らへんやん!!
「…ったく､だるいわ……」
とその時､こんこん､とこの部屋の扉がノックされた｡
「チーノ君?入るよ〜?」
「あ!どーぞ!」
ひとらんの声が聴こえ､俺は返答しながら扉を開けた｡
「チスチス!じゃ､ヤーデ､挨拶しぃ?」
ゾムがひとらんの後ろから顔を覗かせると､2人の間から栗色の長い髪を流した女の子が出て来た｡
お､可愛い()
てか普通にゾムに似とるなぁ｡
「ヤーデ・デアレッヒャーです｡宜しくお願いします｡チーノ?さん」
ヤーデちゃんは少し笑って言う｡
これが記憶を喪失してた子とは思えへんな｡
「敬語は外してええで!“チーノ・ガオナァ”や!索敵を主にやってますぅ｡去年､幹部になった新人やけど宜しくな!」
俺は体を屈めて微笑んで言った｡
…って体の湿布の量､バグってるやろ!
え?何があってん?!
「索敵…?」
少々首を傾げる動作をして言うヤーデちゃん｡
あー､ショッピとかこーゆー所が良いのね｡
「そうそう｡あのモニターの映像はドローン､俺の名前をもじってチノーン､に付いてるカメラのやねん｡
戦争の前後は俺ら索敵部隊がこうして国境付近を見回りしてるんよ」
機械なら命の危険も無いしな､と俺はコントローラーとモニターを指差しながら言う｡
「結構様になっとるやんけw」
「あったり前や!いずれ後輩になるヤーデちゃんに今の内に良いトコ見せとかな!」
俺が笑いながら､チノーンに夢中のヤーデの頭を撫でて言うと､ひとらんとゾムが「え?」と固まった｡
………ゑ?
「…チーノ､ナイスゥ!!せや!ヤーデの事､幹部にしたらええんや!!」
「そうだよ!したらヤーデちゃんの身の危険も減る!」
ゾムとひとらんは明るい笑顔で顔を互いに見合うと言った｡
「…多分､グルッペンは元々そのつもりやで?」
俺が言うと2人は苦笑しながら
「「それはそう」」
と口を揃えた｡
確かに､強くなっとくのに越した事はあらへんな
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作者名：アンバ | 作者ホームページ：ないと思ったか！……ないんですよねぇ
作成日時：2020年12月30日 20時
