第4話 ページ4
ーー今まで、私は、人を過度に信じないようにしていた。
愛さないように、期待しないように。
過度に信じてしまったり、愛してしまったり、期待してしまったら、裏切られた時に余計傷付いてしまう。
それが嫌で、大切なものを作らないようにしていた。
だけど、それを他の人に知られたくはない。
かといって、偽善がバレないように、隠し通してきた。
いつだって、ニコニコと笑って愛嬌振りまいて、
“イイコ”の私を演じる。
そうすれば、ギラギラとした恋心も、どろどろとした独占欲も、全て感じることは無い。
ー・・・なんて、幸せなのだろう。
押し潰されそうな痛みも、心地よい痛みも、
感じることがない。
でも、そのおかげで、頭も、心も空っぽ。
こうなったのも、あの時のせいだ。
目の前に広がるのはー・・・
.
.
『・・・っ!』
私は、反射的にばっと起き上がった。
ダラダラと、身体中から汗が吹き出ている。
そして、ヤケに心臓がドクドクといっている。
さっきの嫌な光景は、夢だったのか。
ふぅ、と溜息をついてから、私は、もう一度布団の中に入った。
『・・・ん?』
入ってまず、違和感を覚えた。
布団の触り心地が、全くといっていいほど全然違う。
ーーゾワっと、背中に何かが走ったような感覚がした。
私は、布団からでると、周りをキョロキョロと見渡した。
『・・・っえ!?』
周りは、私の知っている風景ではない。
ー・・・ここは、モノトーンで、所々に赤色が散りばめられているオシャレな部屋だった。
何も、無駄な物がない、部屋。
裏を返せば、生活感が感じられない、奇妙な部屋だった。
『ここ…どこ、』
必死に、何があったかを思い出そうとした。
まず、私はコンビニにご飯を買いに行って、、、
ーそうだ、迷子になって・・・
路地裏にたどりついて。
誰かが、ぶつかってきて、
殺人現場に出くわしたんだった。
そう考えを巡らせていると、何処からか足音が聞こえる。
足音は、だんだん近づいてきている。
ダラダラと、顔の毛穴という毛穴から、汗が吹き出た。
もしかしたら誘拐犯かもしれない恐怖にガタガタと怯える。
死ぬかもしれないと、私は、ぎゅっと目を瞑った。
そして、ガチャリ、と音を立ててドアは開く。
??「あ、おきた」
赤髪は、笑っていた。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年1月16日 3時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ2。 | 作成日時:2019年2月24日 15時