14 ページ14
.
.
.
あの日、ホソクくんから連絡があった日から数日
ソナも含めて、また当時の大学のゼミ仲間で食事に行くことになり、鏡の前でにらめっこ
服を着ては脱ぎ、着ては脱ぎを繰り返して、やっとこさ手に取ったのは今年買ったトワルドジュイ柄のワンピース
お迎えの時間まであと5分。化粧も済ませていた私には余裕があった
部屋を出て、鍵を閉めて。エレベーターが故障中だったから、仕方なく階段を使う
「わっ、ユンちゃん」
おそらく勤務終わりであろうユンちゃんとすれ違って、思わず振り返って声をかける
気の所為かもしれないけど、1回すれ違った時のユンちゃんはとても驚いているように見えた
.
.
「なんで無視すんのさ!」
めんどくさそうに眉をしかめたユンちゃんが足を止めて、わたしの姿を見て、その格好、と小さく呟く
.
.
YG「…男もいるんだろ」
「あー、昔のゼミ仲間とソナの彼氏がいる、ユンちゃんも来る?」
片眉をピクリと動かしたユンちゃんは、遠慮します、とご機嫌ななめ
なんだ、ユンちゃん来たら絶対楽しくなるのにな、なんて思いながら外を見ると、車道沿いに停められた見慣れた車が見えた
そしてちょうど、車から降りてこちらへ歩いてくる彼の姿も
じゃあね、とだけユンちゃんに告げてエントランスへ向かう
.
.
「ホソクくん!!」
HS「あ!やっぱりAだ!」
大学を卒業して、ホソクくんは地元でダンスの先生をやることになって、わたしはそのままソウルに来たのをきっかけに、所謂自然消滅だった間柄のわたしたち
久しぶりに会ったホソクくんは、変わってないようででも何処か変わったような、そんな雰囲気が会ってすぐにわかった
.
.
それは、ユンちゃんがこちらを見ていたことを知る、少し前のこと
1175人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほにこ | 作成日時:2022年7月31日 18時