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「二階の窓からちょうど見えたからさ。めっちゃかっこいい奴だったな。もしかして彼氏できた?」
「違うよ……」
「そなの?どう思ってるわけ?」
いい弟なんだけどね……時々異様にしつこくなる。
ちょっと若武に似てきたな……。
「美門くんっていってね、若武たちと同じ、大切な仲間の一人だよ」
「へぇ……若武さんちとねぇ……ま、信じといてやるよ。姉ちゃんには和典がいるもんな」
「はいはい、勝手に言っときなよ……」
うまく奏太を交わせたと思ったんだけど……話をした場所が悪かった。
「あら、やっぱり和典くんなのね!?」
「お母さんっ!!」
割り込んで来たのは、ミーハーなお母さん。
エプロン姿に菜箸持ったままだけど、料理大丈夫なのかな……。
そんな私の思いもよそに、二人で騒ぎ始めた。
「母さんも、和典と姉ちゃん、お似合いだと思うよな?」
「もちろん!和典くんなら安心して任せられるもの!」
あーもう……好き放題言ってばかりじゃない。
「お父さん、何か言ってよ……」
新聞を見つめていたお父さんに助けを求めたんだけど……。
「うーん、決めるのはA自身だろうけど、父さんは和典くんなら文句はないよ。彼はしっかりしているし、付き合いも長いだろう?心配する必要がないからね」
「ちょっとちょっとちょっと!!」
そういうのを求めてたわけじゃないの!
「あのね、和典とは、そういうのないから!勝手に言わないでよ、誰かの耳にでも入ったら厄介だからね」
「私の話はもういいから」と言いながら、奏太の方を見る。
「奏太の話をしなよ、彼女いるんでしょ?」
「ちょっ……姉ちゃんっ!!」
「あらそうなの!?その話は初耳だわ!」
奏太の顔が真っ赤になってる。
単純なんだから……ほんとに若武みたい。
「おい姉ちゃんっ!何で知ってるんだよ?」
「奏太は人気者だから、秀明じゃ噂になってるよ。
「バラすなっ!」
逆襲に成功して、お母さんが奏太の話に夢中になり始めたのを確認してから、私は二階の自分の部屋に入った。
奏太がいけないんだよ、和典のことを変な風に言うから。
自業自得だよね。
それにしても、
奏太に彼女ができるなんて。
意外と大人しめの子だって聞いたけど、どんな子なんだろう……?
嫌がると思うけど、今度紹介してもらおうかな。
そんなことを思いながら、夕食の前に明日の宿題を終わらせようと、机に向かったの。
作者のひとりごと(随時更新)
春編お付き合いありがとうございました!夏編は私が書きたかったお話てんこ盛りなので、なかなかまとまらずに苦戦中です……。気長にお待ちいただければ有り難く思います。それでは続編でお会いしましょう!
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奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとやる気が出ます。師走の忙しい時期ですが、とにかく公開だけはしようと思っているのでお待ちください。 (2018年12月9日 21時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 12月15日、絶対に夏編見ます!楽しみです!これからも、頑張って下さいね! (2018年12月7日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです。夏編がなかなか書き進まず、公開は遅くなってしまいそうなのですが、必ず完成させるのでもうしばらくお待ちいただければ嬉しく思います。 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - とっても面白かったです!夏編も楽しみにしてます!! (2018年11月5日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 志恵さん» コメントありがとうございます!春編まではとりあえず早めに更新できそうなので、頑張って進めたいと思っています。これからも読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。 (2018年9月30日 10時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年8月10日 9時