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「それ、櫻木も同じだって」
「……え?」
「出会ったばかりの俺にでもわかるよ。佐田に対抗するくらい心が強いし、自分が誘拐されてまでも、知らない子供を守ろうとする責任感がある」
「それは……当たり前でしょ?変な言いがかりつけられて黙ってられないし、自分より弱い子供を優先するのは当前だよ」
「それが当たり前って思ってるところ、そこがアーヤと似てるんだよ。だから上杉が認めてるんだ」
彩ちゃんと似てるだなんて……彩ちゃんに失礼だとは思う。
……でもやっぱり、誉められるのは嬉しいことだよね。
「なんか……ありがとう」
「なんかって何だよ。まぁ、どういたしまして」
そこからは、なんてことない話ばかりしていた。
そういえば、どうして美門くんは、和典のことをどう思ってるかなんて聞いてきたんだろう……?
「あ、うち、ここなんだ」
「ここ?じゃ、また今度だね」
「うん。送ってくれてありがとう」
「ん、ゆっくり休みなよ。じゃね」
そう言って、自転車に乗っていってしまった。
「ただいま」
「あら、おかえりなさい」
「おかえりA」
家に入ると、リビングには新聞を読むお父さんと、料理中のお母さんがいた。
そこに、二階から下りてきた
「お、姉ちゃん」
奏太っていうのは私の弟。
ひとつ下で、小学六年生。
秀明に通ってるの。
私やお兄ちゃんとは違って、クラブチームでサッカーをやっている。
相当な腕前で、ついこの間、サッカーチームkzにスカウトされたんだ。
でも、奏太はなんと、それを断ったの。
本人はサッカーkzには中等部から入りたいんだって言ってる。
小等部は、若武たちの代がいなくなってから、なんとなく衰退してしまっているらしい。
だから中等部で、小等部全盛期メンバーと一緒にプレーしたいんだって。
やんちゃな性格なんだけど、年齢の割に反抗的じゃないし、私にも普通に接してくれる。
お兄ちゃんはお父さん似、私と奏太はお母さん似だから、よく似てるって言われるんだ。
ちなみに、我が家では一番頭が切れる。
鋭いし、勘が働くから、まわりと関わるのが上手くてクラスでも人気者みたい。
ほんと、自慢の弟だよ。
なんだけど……奏太は私を見るなり、おかえりの一言も言わずにこう尋ねてきた。
「姉ちゃん、今一緒にいたの誰だよ?」
「……見てたの?」
作者のひとりごと(随時更新)
春編お付き合いありがとうございました!夏編は私が書きたかったお話てんこ盛りなので、なかなかまとまらずに苦戦中です……。気長にお待ちいただければ有り難く思います。それでは続編でお会いしましょう!
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奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとやる気が出ます。師走の忙しい時期ですが、とにかく公開だけはしようと思っているのでお待ちください。 (2018年12月9日 21時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 12月15日、絶対に夏編見ます!楽しみです!これからも、頑張って下さいね! (2018年12月7日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです。夏編がなかなか書き進まず、公開は遅くなってしまいそうなのですが、必ず完成させるのでもうしばらくお待ちいただければ嬉しく思います。 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - とっても面白かったです!夏編も楽しみにしてます!! (2018年11月5日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 志恵さん» コメントありがとうございます!春編まではとりあえず早めに更新できそうなので、頑張って進めたいと思っています。これからも読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。 (2018年9月30日 10時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年8月10日 9時