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「って、今日は会議じゃなくて、勉強会だろ?」
上杉くんのツッコミに、若武は大きな声で反論。
「いいんだよ!Aは初めてなんだから、これぐらいやったって構わんだろ」
よくわからない若武の主張はどうでもいいから、先に進めようよ……。
「とまぁ、そんなことは置いといてだな。今日は、各エキスパートもいる環境を利用して、みんなで勉強しようと思ったんだ」
「若武にしては、まともな案だな」
「ん、確かに」
自分への嫌みは華麗にスルーして、若武は先を述べる。
「Aも入ったばっかりだし、何より」
「……何より?」
「公立はもう少しで定期考査だ」
「…………」
要は自分のためってことだよね……。
まぁ、勉強は無駄にはならないからいいんだけれど。
「それじゃ、各々取り組んでくれ!」
その声で、みんなが一斉にテキストを開いた。
私の鞄には数学と、英語のテキストが入っている。
kzの勉強会だから教えてもらえるし、苦手な教科にしようと思って、数学を持ってきた。
せっかくAちゃんが初めて来るからとも考えて、英語も一応入れてきたんだ。
若武も数学。
上杉くんは国語。
小塚くんは英語。
黒木くんは地理。
翼は歴史。
そしてAちゃんは理科。
それぞれが自由に取り組む。
やっぱり、頭がいいみんなといるから、すごく集中できるの。
わからないところはそれぞれが質問したり、教えあったりしていた。
本当に集中しているときって、時間が過ぎるのがとても早い。
気がつくともう二時間ほど経っていた。
数学のテキストを進めて、一区切りついた頃、ちょうど島崎さんがドーナツを運んできてくれた。
「今日はアイシングをかけてみました」
そう言って盛ってきてくれたドーナツを見ると、とてもカラフルで美味しそうだった。
アイシングって、砂糖に卵白が加えられてるものだよね。
甘くて可愛くて、私は好きなんだ。
「かけていない、いつものドーナツもあるので、安心してくださいね」
その言葉は多分、上杉くんに対してだと思う。
甘いのが苦手な人にも配慮してくれたんだよね。
本当に気遣いがすごい、島崎さん。
「じゃ、ちょっと休憩にするか」
若武の一声で、その場の空気が緩んだのを感じた。
みんなでドーナツを頬張りながら談笑していると、翼が提案。
「結構勉強もしたし、この後は外に出ない?」
みんながそれに賛成して、食べ終わったら、隣町の広場でバドミントンをすることになったんだ。
作者のひとりごと(随時更新)
春編お付き合いありがとうございました!夏編は私が書きたかったお話てんこ盛りなので、なかなかまとまらずに苦戦中です……。気長にお待ちいただければ有り難く思います。それでは続編でお会いしましょう!
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奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとやる気が出ます。師走の忙しい時期ですが、とにかく公開だけはしようと思っているのでお待ちください。 (2018年12月9日 21時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 12月15日、絶対に夏編見ます!楽しみです!これからも、頑張って下さいね! (2018年12月7日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです。夏編がなかなか書き進まず、公開は遅くなってしまいそうなのですが、必ず完成させるのでもうしばらくお待ちいただければ嬉しく思います。 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - とっても面白かったです!夏編も楽しみにしてます!! (2018年11月5日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 志恵さん» コメントありがとうございます!春編まではとりあえず早めに更新できそうなので、頑張って進めたいと思っています。これからも読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。 (2018年9月30日 10時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年8月10日 9時