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「……私?」
「そうだ!このチームはそれぞれエキスパートがいる。だが、まだ英語担当がいないんだ。お前が入ってくれれば、俺たちの力は何倍にもなる!」
櫻木さんを見つめる若武の目には、期待が込められていた。
私はそっと、黒木くんに寄る。
「あの……櫻木さんって、どれくらい英語ができるの?」
「英検一級を持ってる。他の外国の言語も、日常会話程度ならいくつか話せるはずだよ」
すごい……!
とても同い年とは思えない。
櫻木さんがkzに入ったら、確かにすごく活躍してくれそうだけど……
「Aがkzに入るのみんな、賛成だよな?」
若武っ!
その聞き方は強引すぎるよ……。
そう思ったんだけれど、小塚くんと上杉くん、それに黒木くんは、
「僕は賛成するよ」
「……いいんじゃね」
「そのために呼んだんだしね」
といった反応だった。
私は、そっと翼の方を見た。
なぜなら、翼がこの状況をどう感じてるか、知りたかったから。
翼はkzに入りたくて、みんなに認めてもらうためにすごく努力したんだ。
だから、こんなにも簡単に櫻木さんがkzに入団してしまいそうなのを、認めたくないかもしれない。
そう思ったんだけれど、翼の表情からは何も読みとれなかった。
「じゃあ、Aをkzに……」
そのとき、黒木くんが手を挙げて、若武の勢いに待ったをかけたの。
「って言いたいところだろうけど……俺たち四人は、Aのことを知っているからkzへの入団を勧められる。でも、美門とアーヤはほとんど初対面なんだから、ここは多数決で決めるべきじゃないだろ」
若武はハッとしたみたいだった。
櫻木さんを入団させたいのだろうけど、ここはリーダーとして、チームのメンバー全員の意見を聞くべきだと思ったんだろうな。
「確かにそうだな……」
「それに第一、本人にも意見を聞いてないよ」
黒木くんは、櫻木さんの方に視線を移す。
若武の勢いに着いていけず、きょとんとしている彼女がいた。
「Aもよくわかってないみたいだし、入団の前にお試しで、kzメンバーとして迎えるのはどう?」
うん、それがいいっ!
「よし、じゃあそれで行くぞ!反対の者はいるか?」
誰も何も言わず、賛成の意を示した。
櫻木さんは相変わらず、理解できていなかったみたいで戸惑っていたけれど。
「これでいいよな、美門」
黒木くんの確認に、翼が頷くのを見て、安心した私がいた。
作者のひとりごと(随時更新)
春編お付き合いありがとうございました!夏編は私が書きたかったお話てんこ盛りなので、なかなかまとまらずに苦戦中です……。気長にお待ちいただければ有り難く思います。それでは続編でお会いしましょう!
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奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとやる気が出ます。師走の忙しい時期ですが、とにかく公開だけはしようと思っているのでお待ちください。 (2018年12月9日 21時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 12月15日、絶対に夏編見ます!楽しみです!これからも、頑張って下さいね! (2018年12月7日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 涼宮美桜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです。夏編がなかなか書き進まず、公開は遅くなってしまいそうなのですが、必ず完成させるのでもうしばらくお待ちいただければ嬉しく思います。 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - とっても面白かったです!夏編も楽しみにしてます!! (2018年11月5日 16時) (レス) id: 73c1c90619 (このIDを非表示/違反報告)
奈都(プロフ) - 志恵さん» コメントありがとうございます!春編まではとりあえず早めに更新できそうなので、頑張って進めたいと思っています。これからも読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。 (2018年9月30日 10時) (レス) id: 98247bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年8月10日 9時