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提案【彩】 ページ7

「あいつ、ちょっと遅れるって」


扉を開けて、私たちが談笑していた書斎に入ってきた翼。

手には、通話を終えたばかりのスマートフォンが握られている。


「バスケの練習が思ってたより長引いたらしくて、ついさっき家を出たって言ってた」

「了解。あいつの家そんなに遠くないから、すぐに着くだろ。待ってやろうぜ」


時刻は午後二時三分。

集合は二時だったけれど、若武の家で集まるときは、大抵集合時間の十分前には全員揃うことが多い。

だから、二時になっても来ないAちゃんに、翼が「俺が連絡してみるよ」と言って、電話を掛けていたんだ。

聞いたところだと、若武の家からAちゃんの家までは、自転車で五分で着くらしい。
だからそれまで、みんなでいろいろ話していたの。


そんな中でただひとり、いつも以上に静かな人がいた。

それは……上杉くん。

翼が電話を終えてこの書斎に戻ってきたときから、なぜか一言もしゃべらなくなった。
調子でも悪いのかな……。

不思議に思いながらも話していると、若武の言った通り五分もしないで、Aちゃんがやってきた。


「ごめん!お待たせしましたー」


少し息を切らしながら、ショルダーバッグをおろし、翼に声をかける。


「翼、電話ありがとう」
「ん。意外と早かったね、A」
「自転車とばしてきたんだ」


たったそれだけの短い会話に、周りのメンバーが食いついた。


「……おい、お前ら、いつから名前で呼び合ってんだよ」

「……先週?」
「えっと、確かそのあたりだったかな」


何てことないように答える二人。
その様子に、黒木くんが小さなため息をついた。


「A、それ美門が言い出したのか」
「うん、そうだよ?」

「何かまずかった?」


そう尋ねる翼の表情は、いつも通りのあの悪戯っ子の顔だった。


「……どうりで上杉先生の機嫌が悪いわけだ」
「美門、上杉で遊ぶのもいいけど、加減はしといてよ」

「……おいお前ら、何勝手に言ってんだよ」


久しぶりに聞いた上杉くんの声。


「はいはい、とりあえず全員揃ったんだし、若武始めようぜ」


黒木くんに促され、その話題はそれで切られたの。


「そうだな。じゃ、これからkz会議を始める。今日はある提案があって、それのために集まってもらったんだ」


提案って?

2→←楽しみだよ【彩】


作者のひとりごと(随時更新)

春編書いて今は夏編に突入したところですが、私の高すぎる目標ではこの後も秋編、冬編と続きます。そして短編集を書く!みたいな野望ももっているのですが、いったい全部書き終わるのは何年後になるんでしょうか……。


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椿姫 - 夢主が出てきて物凄く面白いです。夏編、秋編、冬編を楽しみにしております。 (2022年4月4日 13時) (レス) @page20 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして。こんばんは!夏編の続きも秋編、冬編もとても楽しみです!更新これからも気長に待っています。応援しています! (2021年6月10日 19時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - kzの夢小説ってアーヤが主人公の話が多いので、読んでみると凄く面白いです!!更新楽しみにしてます! (2020年9月27日 12時) (レス) id: 72ed035e10 (このIDを非表示/違反報告)
りーいか - 続きがすげぇ楽しみです!これからも頑張ってください! (2020年8月19日 0時) (レス) id: 3ec86cf350 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年6月27日 8時) (レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奈都 | 作成日時:2018年12月14日 16時

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