実行委員【美門】 ページ18
夏休みが始まった。
今日は、バスケ部の練習の日。
夏休みの最終週に、3年が引退してから初めての公式戦が控えているから、それに向けて練習もヒートアップするんだ。
それに加えて、今日は午後に学校祭実行委員会が開催された。
秋に予定されている浜田の学校祭は、文化祭、体育祭、後夜祭の3部構成で、生徒会だけでなく、各クラス男女1名ずつの実行委員も含めた組織が運営をする。
うちのクラスは先月、実行委員決めをしたんだ。
男子は、ホームルーム長の俺が推薦で選ばれた。
女子は立候補が出なくて、最終的にAが引き受けることになった。
Aの場合、無理してやるのはよくないと思ったけど、本人がそういうイベントが好きみたいで、割と進んで引き受けたようだったから安心した。
夏休みに入る前に、既に数回の実行委員会が開かれ、それぞれの企画や担当については決定している。
夏休み中は、それをより具体的な案にして担当教師へ提出、実際に運営の準備まで進むということだった。
今日の実行委員会も、3年の委員長中心に順調に進んだ。
学校祭に向けて、全員の士気が高まってきているのが感じられた。
実行委員会が終わった後、駅までAを送ることにした。
俺は自転車通学だけど、家は駅の方向だし、Aの過去の誘拐の話を聞いてからは積極的に送るようにしている。
Aは最初のうちは不思議そうにしていたけれど、最近は2人で駅まで行くことも多くなった。
「学校祭、楽しみだね。夏休みあけたらすぐ、体育祭の出場選手と文化祭の出し物を決めなきゃいけないけど、Aは何か考えてるの?」
「一応考えてるけど、まだはっきりしたビジョンにはなってないんだ。……学校祭って、9月の3週目の土日だよね」
「そうだよ。今日の委員会でも何度も日程は確認しただろ」
「うん……」
何か考えている様子が気になった。
「何か悩んでることでもあるの?」
「……ううん、何でもない」
「なんだよ。よくkzの連中が言ってるぜ、Aは1人で悩むタイプだから心配になるって」
「そうかな?」
「そうだよ。何かあるんだったら、言ってくれないとわからないんだけど」
「……うん。気持ちがまとまったら、話すね」
そう言って結局、何を気にかけているのかはわからなかった。
後から思えば、この時ちゃんと話を聞いてやれていたら、後にAがあんなに追い詰めることもなかったんだろう。
作者のひとりごと(随時更新)
春編書いて今は夏編に突入したところですが、私の高すぎる目標ではこの後も秋編、冬編と続きます。そして短編集を書く!みたいな野望ももっているのですが、いったい全部書き終わるのは何年後になるんでしょうか……。
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椿姫 - 夢主が出てきて物凄く面白いです。夏編、秋編、冬編を楽しみにしております。 (2022年4月4日 13時) (レス) @page20 id: 910387af12 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして。こんばんは!夏編の続きも秋編、冬編もとても楽しみです!更新これからも気長に待っています。応援しています! (2021年6月10日 19時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - kzの夢小説ってアーヤが主人公の話が多いので、読んでみると凄く面白いです!!更新楽しみにしてます! (2020年9月27日 12時) (レス) id: 72ed035e10 (このIDを非表示/違反報告)
りーいか - 続きがすげぇ楽しみです!これからも頑張ってください! (2020年8月19日 0時) (レス) id: 3ec86cf350 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2020年6月27日 8時) (レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈都 | 作成日時:2018年12月14日 16時