夏は輝く笑顔の季節【探偵チームkz事件ノート】

お買い物【彩】 ページ13

翌日の朝。

楽しみにしていたからか、いつもより早く目が覚めてしまって、ずっとそわそわして落ち着かなかったの。

お財布、ポーチ、ハンカチ、ティッシュ……鞄の中をもう一度確認してから、約束の時間に間に合うように家を出た。

Aちゃんと出会って、ちゃんとした女の子の友達ができたのは初めて。

だからこんな風に、友達とお出かけする日が来るなんて思ってもみなかった。
今回の場合、ショッピングっていった方が響きがいいかもしれない。


家から少し歩けば見えてくる駅。

いつも学校に行くときとは時間も人の様子も違うから、なんだか不思議だな、なんて考えながら歩みを進める。

するとベンチの隣に立っているAちゃんの姿を見つけた。


「あ、彩ちゃん。おはよう」
「おはよう。ごめんね、待たせちゃって」


不安になってそう尋ねると、Aちゃんはいつもの笑顔で否定してくれた。


「全然。今来たところだから。まだ十時になってないしね」


きっとそんなことはなくて、気を遣って、もっと早くに来ていたんだと思う。
なんとなく、だけどね。

それなのに空いているベンチには座らないで、立って待っていてくれていたんじゃないかな。

Aちゃんのそういうところが、私はすごく素敵だと思うんだ。


「電車来ちゃうから、行こうか」


Aちゃんのその言葉で歩き出したの。


今日行くのは、たくさんのお店が詰まった大手のデパート。

様々なものが売られているし、食料品もレストランもなんでも揃っている。
家族となんか滅多に来ないから、なんとなく特別な感じがする。

水着や小物目当てだけれど、雑貨屋さんやお洋服屋さんもできれば行きたいなって思っているんだ。

それと何といっても、五階にあるパンケーキ屋さん！

Aちゃんが教えてくれたお店で、今日のお昼はそこでパンケーキを食べることになっているの。

一年前くらいにオープンしたんだけれど、未だにその人気は衰えないって言われてるお店なんだ。
クリームとフルーツがたっぷり乗っていて、本当に豪華なんだって。

Aちゃんがちょうど留学した頃にできたから、Aちゃんも初めて行くみたい。

やっぱり女の子同士でお出かけしたら、甘いもの食べたくなるものなのかな。

うーん、すごく楽しみ！

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作者のひとりごと(随時更新)

春編書いて今は夏編に突入したところですが、私の高すぎる目標ではこの後も秋編、冬編と続きます。そして短編集を書く！みたいな野望ももっているのですが、いったい全部書き終わるのは何年後になるんでしょうか……。

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