『無気力なあの子は元天才スパイカー』 【ハイキュー!!】

■"EP.39 ページ41

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先程の影山の挑発は町内会の人には効いたらしく、獲物を狙うような目で日向くんを見ている


ちょっと怖い








「今のお前は…ただのちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそだ
大黒柱のエースなんてならねぇ」



『ｯ!ちょ…！』



「でも、俺が居ればお前は最強だ！」



「『ｯ!』」








日向くんを貶してるどけかと思いきや、驚きの事を言い出す影山



影山がいれば日向くんは最強…か…





まぁ、確かに影山のトスが日向くんに上がった時、ブロックに捕まったのを私は見た事がなかった


いつも…いや、毎回日向くんと影山の速攻が上手くいく





そう考えると確かに影山が言いたい事も分かった気がした








「ナイッサー！」








続く試合


ボールはこちら側へ飛んできて、私はパスで影山の方にボールを繋いだ








「躱せ！
それ以外にできることあんのか、ボゲェ!!」



『でた
影山の口癖、ボゲェ』








そのまま日向くんは、左に走り飛ぶのかと思いきや方向転換し右へと思いっきり飛んだ








「躱す…！」








ボールが地面へと着地した鈍い音が体育館に響いた









「お前はエースじゃないけど!!
そのスピードとバネと俺のトスがあればどんなブロックとだって勝負できる！

エースが打ち抜いた1点もお前が躱して決めた1点も…同じ1点だ」



「ｯ!」



『日向くん』



「っ…」



『“エース”って冠がついてもなくても日向くんは誰よりも沢山の得点を叩き出してだからこそ敵は日向くんをマークして…
他のスパイカーは、日向くんの囮のお陰で自由になれる
もちろんエースもね』



「っ…」



『日向くんには、日向くんなりの輝き方がある
点数を稼ぐのももちろん大事だけど、それに繋げる役割も大事なんじゃないかな…

多分…囮っていうのは…そのスピードと…バネを持ってる日向くんにしかできないと思うよ』



「っ…それでもお前は今の自分の役割がカッコ悪いと思うのか!!」








バレーっていうのは、思ってるよりも簡単じゃない





それは、やってる側が身をもって体験してると思う


心理戦でもあるし、何より基礎が出来てなかったら試合になんてならない




今の日向くんの囮だって、日向くんにしか持ってないものを活かした上での役割だ


きっと日向くんにしかできないことに決まってる







「思わない…」



「あ？」



「思わない!!」



「よし！」









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