1話 ページ1
どんよりとした空を眺める。
今は授業中…
あまり好きではない教科の授業は
凄く退屈。
だから僕はよく、こうやって空を
眺めている。
今日の天気は曇り。
降水確率は、あまり高くなかった。
そういえば、傘持ってきたっけ…
まあ、雨は降らないと信じよう。
午前授業が終わり 昼休み____
あ、お弁当忘れてきた…
今日は忘れ物が多い。
天気が悪いからだ…などと言い訳をしながら
購買へ行く。
うわ、混んでる…
人混みの中に入っていくのは
できるだけ避けたい。
…吐く。
いつも、平日以外はあまり外に出ないせいで
人混みは慣れていない。というか…苦手。
人酔いしやすいから。という理由もある。
はあ…嫌だな…
けど、お腹空いたな…
仕方ない…行くか。と決心して
人混みの中に行く。
うわ…気持ち悪いっ…
一瞬にして、視界が人だらけになる。
「うわっ」
人に押されて足元がふらつく。
ドンッ
「あ、すいません…」
できるだけ人とは喋りたくない…
顔…見たくない…
「大丈夫ですか？顔色が悪いですけど…」
えっ…
久しぶりに、人から心配してもらった。
そう思って顔を上げ、彼女の顔を見た。
すると、彼女の顔が一瞬驚いた顔になった。
だが、直ぐに戻った。
「あのっ」
と、言いかけた時
人混みに流されて、彼女が
見えなくなった。
あ…
人に心配されたのは
久しぶりというよりも
初めてに近かった僕は
彼女が凄く気になった。
そして一つ気になった事があった。
僕はあの優しい声を知っている気がした。
いや、気のせいか…
また…会いたいな…
そう思っていると、いつの間にか
僕は列から抜けていた。
「クスッ、相変わらずだったな
帰りにまた会いましょ
ーーーーーーーー柳(ゆう)くん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊 梓 | 作成日時：2016年6月16日 22時
