紙飛行機

紙飛行機 28 ページ28

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部屋の一角にぴたりと付けられたベッドの上。



優雅にひとり寝転びながら

ずっと携帯いじってた太輔が

こっちを見ることなく言った。





「別に？」





なんか面倒くせぇことになりそうで

素っ気なくそう答えたはいいけど




「明後日のクリスマス！だろ？」




突然携帯手放して

今度は真っ直ぐに俺を見た。








平然装い

その視線から逃れようものなら



あぁ〜なるほどねぇ

なんて北山が立ち上がり


窓を少しだけ開けると

振り返りざまに聞いてくる。






「んで、予定は？」






ほらね


やっぱ面倒くせぇことになった







「知んない」







なんもねぇよ





話すようなこと

なんもない








無意識にタバコへ伸びる右手に気づき

左手でそれを制した。






「そんな会いたいなら誘えばいーじゃーん。体に悪いよ〜」






山積みになった漫画から

次の巻を探す合間に


いっぱしの口を挟んでくる二階堂に

イラつきはさらに増して。






「うっせーよ。黙っとけ」













だってアイツ


全然楽しくなさそうなんだ







返信だって

いっつも無理してる感じだし



アイツから連絡きたこともねぇし






クリスマスにかこつけて

笑った顔がみたいって思ってんの





多分



俺だけだから












「寝る。22時に起こして」




そう告げると太輔を避けながら

ベッドへ寝転んだ。






.






わさわさと揺すられ

やっとのことで薄目を開ける。


時計を見れば、22時6分。






今日はもういっか…






再び瞼を閉じるも



そこには


まだ知りもしないのに

アイツの笑った顔が浮かぶんだ。









ゆっくり身体を起こすと


あぐらかきながら

漫画に顔突っ込んで寝てる二階堂。


缶ビール片手に

テレビ観ながら爆笑してる北山。




そしてその隣には、飯島がいた。







「あっ、横尾おはよー」


「来てたんだ…太輔は？」


「あっちで電話してる〜」









携帯を探す。




今日は「喉痛い」にすっかな…



くだらない文面考えながら

見つけ出したそれをみて


息が止まった。







静かに置かれた小さな封筒。








『24日、何してますか？』









バカじゃねぇの？



ムカつくんだよ






その答え






お前といる以外


なんかあんの？













換気された部屋は

すっかり色を変えてて。









あぁ…そっか



多分俺

朝からずっと




これを言いたかったんだ


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