紙飛行機

紙飛行機 1 ページ1

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出逢った日からずっと


真っさらなノートに

綴り、紡いだこの想い




もしもいつか

大空を舞うことがあるのなら


あなたを見つめることのできる




そんな青空であって欲しい







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高校一年、冬のはじまり。


教室のカレンダーは

昨日めくられ11月になった。






体育のマラソンを終えて

温まった身体はチクチクとこそばゆい。


ほてった指先で上履きに履き替え

廊下に出ると






「だーかーらー！！！それ俺んじゃねぇからっっ！！！」






大きな大きな叫び声とともに

突然目の前に現れた一人の男の子。



首だけ後ろに回してお喋りに夢中。

ズカズカ前進してくる。





避けようと

急いで身体傾けたとき








「二階堂っ！！前！」










………！！？









今日の天気予報は

終日晴れだったはずなのに


突然カバンが降ってきた。













「…あー、悪りぃ。全っ然見てなかった。へーき？」






呼ばれた通りその人は二階堂くんで。

仏頂面のまま、少し面倒くさそうに謝る。


ちらっと彼の背後に目をやれば

五、六人の人影。







「……あっ、いえ……あのっ……すみませんでした」







床相手に驚くほど小さな早口。


二階堂くんとその集団の横

足早に通り過ぎる。





恐怖と緊張で

至る所が縮こまった。






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「Aちゃん、大丈夫？」





階段前まで来ると

のんちゃんが心配そうに聞いてくる。





「うん。全然大丈夫だよ。カバン、すごく軽かったし」



「それもそうだけど……あの集団だったから…」





心配性の彼女は

自分のことのように眉下げる。





「あの人たちもう帰るんだね。まだ三時間目なのに」




咎めるようにつぶやくのは美咲。





「でも…、正直いない方が気楽かも。あの人たちがたまってるそば通るの、なんか怖いんだもん……」






のんちゃんの意見に、美咲が何度も頷く。





「怖いって言うか、なんか嫌な感じだよね」


「さすが美咲。私はちょっと、怖い……」





そんな二人の会話

ただ黙って聞いてた。









集団の脇通り過ぎるとき


学ランから

さり気なく顔だしたあの指先。




"あの集団"と称される彼らの中で

唯一同じクラスの、あの人。






帰っちゃう…のかな？








階段登る足取りが重たいのは



少しだって手抜きしなかった

マラソンのせいだけじゃない。




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