恋の花（2）

＊花 87＊ ページ39

俺も久々マジックにかかってあげちゃいますか！

なんて言いながら

横で漬け物を吟味し始めた北山くん。









「あ！！」



突然小さな声を漏らした。


私のブレザーを引っ張る。








「Aちゃん、藤ヶ谷見てみ。

アレ、告られるよ。」






ちょんちょんとお店の前の通りを指差した。












あれは確か…A組の子。



そんな雰囲気にみえなくもないけど…

こんなとこで？







太輔の表情あんまり見えない。





角度を変えようと体傾ける。










「気になる？」





試すような表情。






「べ、別に？」









気になる

とは少しちがう。




でも

気にならない

とも少しちがう。










「でも…太輔も北山くんもああゆうの慣れっこでしょ？」






「まぁね〜慣れっこ！特に俺は！笑

でも、自分から言ったのは
Aちゃんが二人目だからね〜！」







えー？二人目？

嘘だぁ。笑





疑いの眼差しを注ぐ。






「あはは！めっちゃ疑ってんじゃん。

まぁ、信じるか信じないかは、あなた次第！
ってことで、藤ヶ谷んとこ行こ！」







思いっきり腕を引っ張られ

太輔のもとへ連れてかれる。












「ふっじがやさん！告白ですかぁ〜？」




ニヤニヤと
茶化しながら近づく北山くん。





「は？ちげぇーよ。
こんな通りすがりに言わないだろ普通。」






「じゃあ何だよ〜。
Aちゃんも気になるよねぇ？」





わざとらしく相槌求める。







「…別に？お前にゃ関係ない！

つーか、そんなことよりまたAに変なことすんなよ？」





そう言い放つと
お店の外にあるベンチに腰掛けた。









なんか、やっぱり変。






太輔の横顔が

いつになく真剣で



何も声かけられなかった。

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