恋の花（2）

＊花 85＊ ページ37

お参りして

おみくじ引いて

ニカちゃんリクエストのお守り買う。





"学業成就"



ニカちゃんらしいな。





いそいそとカバンにしまってると




「とうとう神頼みかぁ。

そんなん買う暇と金があるなら、参考書買った方がいんじゃね？笑」




こんなこと言ってくるのは
もちろん太輔。





「もぉーいちいちうるさい！
これはニカちゃんに頼まれたの！」





「マジ？あいつ俺にも頼んできたよ。
コバにも。ぜってぇ二年全員に頼んだな。

何個持ってても勉強しなきゃ意味ねぇし。」




呆れたように眉をしかめ笑う。






たくさんの学業成就のお守りが
ぶら下がるであろうニカちゃんのカバン。



これで期末は大丈夫！
とか言いながら

クシャクシャって笑う顔が目に浮かんだ。






それと同時に
ほんの少し胸がキュッとする。








私にも頼んでくれてありがとう。





勝手かもしれないけど


いつかまた

ニカちゃんの本当の笑顔が

みれますように。









煙が立ち込める常香炉。





「ほら、頭と顔によくつけとけよ。」




わざとらしく真面目な口調。

私の頭へ大量の煙浴びせる。





その手を払い軽く睨みつけると

すでに素知らぬ顔でえりと雑談。






もー腹立つ！！！！！







「たいちゃんは口が悪いですねー。
ほら、よく吸ってくださぁーい！」





旅のしおり使って
顔面に思いっきり煙かける。





咳き込む太輔みて

えりと一緒に笑った。












でも、ちゃんとわかってるよ？



普段の三倍増しの憎まれ口は

太輔なりの気づかいだって。








ただひとつだけ気になるの。



いつもは太輔の隣で笑ってる横尾くんが

今日はあんまり一緒にいない？





気のせい…かな？
















「まだ予定まで微妙に時間あるから
また土産通りでもぶらぶらするか。」



班長の高村くんがまとめる。






少し寒いけど
天気はよくて日向はぽかぽか。

"ぶらぶら"がしっくりくる。











漬物屋さんに並ぶたくさんの試食。

小さなトングで手に取り、つまんだ。




どれもおいしくて

お母さんに買っていこうかなぁ。


そんなことを考えながら
片っ端から食してると







「土産屋マジックにかかってんね〜。」









声のする方振り向くと



満面の笑みで敬礼する

北山くんが立ってた。

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