マネージャーとあつむくん

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合宿の最終日の練習試合
私自身久しぶりに帰ってきた大阪
近畿の練習試合といっても
各県のベスト８校だけが集まる

会場はとても広く、これだけたくさんの高校が集まっても
空き時間はほとんどないまま進むことになっている
もちろん他県同士中心に組まれている


スコアをつけたり、選手にドリンクを渡したり
その他諸々私がするので、
楽になったと監督も選手も言ってくれる

みんなの役に立ててるんやと思うと普通に嬉しいなぁ




「あ、Aやないか！お前なんでここにおるんや！今日は男子やろ？」


お昼休憩
次のコートへ移ってからみんなのドリンクと貴重品、
お昼を持って移動していると遠くから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
兄も私も大阪時代にお世話になっていた。
中総体のトップの西日本を代表する監督だ。

予想はしていたけど、
もしかしたら顔見知りの人も来ているだろうと思っていた
黒須さんも北さんも大丈夫かと昨日の夜聞いてくれたけど
適当に流すので大丈夫です、
むしろ迷惑かけてしまったら申し訳ないですと謝っておいた

いくら私がプレーをやめたとしても
この人たちのマネージャーをしている限り
誰のことも敵に回したくはない
バレーはいたって単純に見えるかもしれないけど
審判によっては IN と OUT 贔屓する人もいるのだ
ほんまにあるからクソやねん




「お久しぶりです、実は今は現役やめて稲荷崎の男バレのマネージャーしてるんです」

「え！そうなん！？」

「はい、ほんまにずっとお世話になっとったのにすみません」

「ええ！ええ！お前のことやで考えあるんやろ！また兄貴連れて飯行こな！」

「高めのお肉でお願いします！」

「おー、任せとけ！」

「兄にも言うておきますね、失礼します」



今の人は理解してくれているので大変助かった
だが、もう出来るだけあまり他人に関わりたくない

ここは大阪で地元
もちろん稲荷崎に叶わなくとも強豪校がいる
その中で中学時代に仲の良かった男バレメンバーも来ているだろう
その時は近づくなオーラ出しとこ

みんなの元へ戻り、
何となくお昼を食べる気になれず、
とりあえずこれだけでもと
あの10秒飯を食べながらスコア表をまとめる

それにしても、やっぱりうちは雰囲気が違う
さっきから周りはヒソヒソた私たちのことを噂している

稲荷崎のセッターえぐかったな。とか
あの双子なんなん。とか
全員のスキル高すぎやろ。とか
もうそれはそれはみんなの注目の的だ





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